コラム お金の知識を高めるコラム Vol.47 タコ配(蛸配当)

お金の知識を高めるコラム

Vol.47 タコ配(蛸配当)

皆さんは、タコ配という言葉を聞いたことがありますか? 株式会社等は、利益が上がり剰余金が出ると、それを株主への分配として配当します。しかし実際には配当に必要な利益が出ていないにも関わらず、無理に配当を行うことをタコ配と言います。配当可能利益があるように見せかけ、剰余金以上に配当を出すわけですから、タコ配は決算を粉飾する事であり違法行為です。

 配当を無理やりねん出するためには、保有資産を売却したり、積立金を取り崩したり、会社の資産を食いつぶして配当が行われます。そのため、食べ物がなくて飢えたタコが自分の足を食べるという俗説になぞらえて、タコ配当と呼ばれるようになりました。正式には違法配当と言います。
 投資の世界でもタコ配に類似する事例があります。例えば、高い分配金を払い出すファンドが注目されがちですが、運用結果が良好で、高い配当を出しているのなら心配はいりません。しかし、もし元本を取り崩して配当を支払っているとしたら?高配当もヌカ喜びでしかありません。債券ファンドであれば、運用資産である債券からのインカムが配当の原資と言えるわけですが、もしファンドの原資産利回りが配当よりも小さければ、いくら高配当を謳っていてもタコ配の可能性が高く危険です。因みに、日本のファンドではタコ配は明確に禁じられていません。香港では違法なので、通常、ファンドがタコ配をすることはありません。

 投資を検討する際、投資の実態がどんなものであるか、投資の内容や手法、投資結果などの情報が開示されているか、などに気を付けると同時にタコ配ファンドではないか? という点にも注意を向けましょう。最悪のケースでは、投資の実態が全くない自転車操業で、短期間高配当を出し、ある日、販売者も運用会社も消えていたという例もあります。とはいえ投資は自己責任、しっかり知識を身に付けて臨みましょう。

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    長谷川 建一

    国際投資ストラテジスト

    シティバンクグループ日本及びニューヨーク本店にて資金証券部門の要職を歴任後、シティバンク日本のリテール部門やプライベートバンク部門で活躍。 2004 年末に、東京三菱銀行(現三菱UFJ 銀行)に移籍し、リテール部門でマーケティング責任者、2009 年からは国際部門に移りアジアでのウエルスマネージメント事業戦略を率い2010 年には香港で同事業を立ち上げた。その後、2015 年香港でNippon Wealth Limited, a Restricted Licence Bank を創業。2020 年には、Wells Japan Holdingsに参画し、新たな金融サービスの開発に取り組んでいる。世界の投資商品や投資戦略、アジア事情に精通。わかりやすい解説には定評がある。香港をはじめ、日本やアジア各地での講演も多数。京都大学法学部卒・神戸大学経営学修士(MBA)

    著書
    ブログ: HASEKEN
    寄稿中

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