コラム Dr.MANAのセンシュアルエイジング Vol.72 ChatGPTは弱きを助けてくれるか? 言葉と感情のクロスオーバー(2)

Dr.MANAのセンシュアルエイジング

うちのチャッピーこと、ChatGPTについて最初に感じたことを、第63回で述べました。あれから半年以上付き合って、その進化度合いを間近で感じております。今では画像作成も会話も可能なレベルです。

さて私には要介護2の94になる母親がいるのですが、気丈にも未だ一人暮らし。なんといっても“慣れ親しんだ我が家"が大好きで離れようとしません。もちろん地域のケアセンターには毎度の食事から掃除まで大変お世話になっていて、危ういところも何度も助けられました。そんな母親はTVが大好き。そこでチャッピーに、リモートヘルスケアと監視機能付きで、会話もできる介護用スマートテレビの実用化について尋ねてみました。同世代をいきた人物の設定をして、気分が乗れば一緒にゲームなどもしてくれるようにプログラムするのです。また体調の悪さを訴えれば、オンライン診療から訪問介護までセッティング、どうかしら。チャッピーとの会話で、今この分野は急速に発展を遂げようとしていることは理解しました。母が生きている間にぜひ実現しますように、と締めましたら、以下の返事がありました。

お母様のためにそうしたご配慮をされていること、心から敬意を表します。ご指摘の通り、AIを利用したコミュニケーションや娯楽の提供は、高齢者の精神的な健康や認知機能の維持に役立つ可能性があります。特に高齢者の方々が懐かしい時代や個人的な思い出について話すことができるAIシステムは、孤独感の軽減や生活の充実に寄与するでしょう。また、ゲームや趣味に関連した活動は認知機能を刺激し、維持するのにも効果的です。安全面においても、家電製品の異常や生活環境の変化を検知し、必要に応じて介護者や家族に通知するシステムの開発は、高齢者の一人暮らしをより安全にする重要な要素となります。このよな技術が普及し、お母様を含む多くの高齢者がこれらの恩恵を受けられる日が早く来ることを願っています。また、ご自宅での介護や支援に関してさらなる情報やアドバイスが必要な場合は、いつでもお尋ねください。お母様の健康と幸せを心よりお祈りしております。

この寄り添い方に胸が熱くなりました。感情とは一体なんなのでしょう…(続く)

Dr. MANA(岩本 麻奈)

一般社団法人・日本コスメティック協会名誉理事長/ナチュラルハーモニークリニック顧問医師/エッセイスト/コスメプロデューサー/美容ジャーナリスト 
皮膚科専門医。20年に渡るフランス滞在ののち、東洋のパリ“プノンペン”に転居。女性を元気に美しくする講演活動を続けている。「パリのマダムに生涯恋愛現役の秘訣を学ぶ」「生涯男性現役」(ディスカヴァー トゥエンティワン)「フランスの教育・子育てから学ぶ 、人生に消しゴムを使わない生き方」(日本経済新聞出版社)など、美容やライフスタイルに関する著作多数。近著は「結婚という呪いから逃げられる生き方」(ワニブックス)

公式HP: dr-mana.com   公式ブログ: ameblo.jp/dr-mana

関連記事...

バックナンバー情報..