コラム Dr.MANAのセンシュアルエイジング Vol.26 Dr.MANAおすすめ美容医療施術その4 貴重な? 実録:Dr.MANAの目袋問題(後編)

Dr.MANAのセンシュアルエイジング

目袋の存在を確認自覚した私は、下眼瞼脱脂術で脂肪をとってもらおうと形成外科へ駆け込みました。医師の診断は「中身は昔注入したヒアルロン酸」という衝撃の宣告(12月号)、今回はその続きです。 さて、ヒアルロニターゼ注入して1時間経ちました。ジャジャジャジャーン! なんと目袋が3分の1くらいの体積に小さくなっています。それだけではありません、埋まっていた元の涙袋が復活してきました―。私としてはそれが余程喜ばしいことに思えました。もっとも、それ以上は縮小せずに次の診察日を迎えたのでした。

「よかったですね、やはり中身はヒアルロン酸でしたね。じゃあ、残りの分を全部溶かしてしまいましょう」2度に渡るヒアルロニダーゼ注入によって、目袋に集結した10年前からのヒアルロン酸は全て消滅いたしました。ただし、それがどこから移動して来たかは定かではありません…。

先生の言葉がリフレインします。「だから私は、永久的を謳う非吸収性フィラー(注入剤)は使いたくないのです。吸収されない、というと喜ぶ人も多いけど、骨格は微妙に変化していくものなんです。デザインが合わなくなったり肉芽などを形成してしまったらメスで切開するしかないからね」と。

お手軽で効果的、とボトックスと人気を二分するフィラー。私の経験に限らず「こんなこともあるんだ」と、心に留めてもらえれば幸いです。

なお分解酵素が存在し、安全性が高いと言われるヒアルロン酸注入ですが、レアケースとして血管が詰まって皮膚が壊死したり、目の周囲であれば失明だって起こり得ます。そんな場合、即時の対応によって予後が決まります。リスクマネージメントについてもチェックして、クリニックやドクター選びを行ってくださいね。

ヒアルロン酸注入に限らず、プチ整形は施術者の経験則と匠の技、そして美的センスをどれだけ共有できるのかがモノを言います。身も心も任せられる相性のよいドクターとの出会いだって、言葉ほど簡単なものではありません。臆病である必要はありませんが、なにごとも軽佻浮薄は自戒すべきですね。

Dr. MANA(岩本 麻奈)

一般社団法人・日本コスメティック協会名誉理事長/ナチュラルハーモニークリニック顧問医師/エッセイスト/コスメプロデューサー/美容ジャーナリスト 
皮膚科専門医。20年に渡るフランス滞在ののち、東洋のパリ“プノンペン”に転居。女性を元気に美しくする講演活動を続けている。「パリのマダムに生涯恋愛現役の秘訣を学ぶ」「生涯男性現役」(ディスカヴァー トゥエンティワン)「フランスの教育・子育てから学ぶ 、人生に消しゴムを使わない生き方」(日本経済新聞出版社)など、美容やライフスタイルに関する著作多数。近著は「結婚という呪いから逃げられる生き方」(ワニブックス)

公式HP: dr-mana.com   公式ブログ: ameblo.jp/dr-mana

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