コラム Dr.MANAのセンシュアルエイジング Vol.25 祝新年・ニッポンのフシギ 「日本のお正月はニッポンだけ?」

Dr.MANAのセンシュアルエイジング

 ゆく年くる年、心機一転「目が覚めるようなお話を今年こそ」と奮い立っての第1回。よろしくお願いします! 日本は島国と言われています。日本の常識、世界の非常識とかも聞きます。狭い海をひとっ飛びすると「あらフシギ?」

 

パリに住んでいた頃、ある大寒の冷たい朝、ご近所の上品そうなマダムから「どうして日本では春節じゃなくって、キリスト暦の1月1日にお正月のお祝いするの?」と訊かれた事があります。まさかそんなことを西洋人から問われるなんて!

 

春節の中国を筆頭にタイ・ベトナム・カンボジアなどの、アジア中華圏といった国々は旧暦でお正月をお祝いしていますね。なぜアジアで日本だけが「欧米化」なのでしょうか。

 

西洋近代化に乗り遅れまいと、新政府は明治4年11月に突然「12月3日をもって明治5年1月1日とする」と発表しました。太陽暦すなわち西暦の採用です。これで役人に支給する総給与ひと月分の節約を図ったという説もありますが、西洋文明を学ぶことはあちらの慣習文化のすべてを輸入して真似することだと思っていたのでしょう。新暦の前の旧暦は太陽太陰暦でした。これは1年の季節を太陽に合わせ、ひと月の日数を月の朔望に合致させるもので、2年か3年に1度のうるう月は面倒でした。

 

太陽暦は月(ツクヨミ)を無視して太陽(アマテラス)だけを見つめます。新暦となって月の満ち欠けを愛でる文化も同時に廃れていきました。振られた月はショックだったでしょうね。ついでに言いますと、なんでも西洋の真似しているのに、元号と夫婦別姓禁止だけは世界で日本だけというのもフシギです。

 

Japanas No.1とか、名実ともにLand of the Rising Sun(日出ずる国)だと誇っていた時代も遠くなりました。日本生産性本部発表の「労働生産性の国際比較2018」では日本47.5ドル/時の48年連続のG7最下位。WEF世界経済フォーラムが発表した「ジェンダーギャップ指数2018」では日本110位、むろんこれもG7最下位。先進国なんて言える立場も危うくなってきました。

 

今年はオリンピックもあります。選手のみなさんもわたくしたちも「めげずにがんばらなくちゃ」ではありませんか。2020年も幸多き一年でありますように♪

Dr. MANA(岩本 麻奈)

一般社団法人・日本コスメティック協会名誉理事長/ナチュラルハーモニークリニック顧問医師/エッセイスト/コスメプロデューサー/美容ジャーナリスト 
皮膚科専門医。20年に渡るフランス滞在ののち、東洋のパリ“プノンペン”に転居。女性を元気に美しくする講演活動を続けている。「パリのマダムに生涯恋愛現役の秘訣を学ぶ」「生涯男性現役」(ディスカヴァー トゥエンティワン)「フランスの教育・子育てから学ぶ 、人生に消しゴムを使わない生き方」(日本経済新聞出版社)など、美容やライフスタイルに関する著作多数。近著は「結婚という呪いから逃げられる生き方」(ワニブックス)

公式HP: dr-mana.com   公式ブログ: ameblo.jp/dr-mana

関連記事...

バックナンバー情報..