ネットで初めて「若年性更年期障害」という文字列を認めたので、ヒットすると「30代でも更年期と似たような症状が自覚する人が増えてきているので、ご注意ください」とのこと。いろいろ調べてみましたらこれは医学用語ではなく、案の定、メディアでの造語でした。なんと!!
この5~6年にSNSとかで囁かれてきた“プレ更年期” “プチ更年期”についても、私は「言葉は言霊(ことだま)となって、無意識下に影響することを避けられないのだから、断乎として使用することの差し控えを求める!」と主張してきました。今回は一見病名のような誤解を与えるのですから、さらに害悪は甚だしいと言えます。「更年期それ自体も廃語にしてメノポーズに統一しよう」(本コラムvol.2をWOMのサイトでご参照ください)というDr.MANAであります。そりゃ、もう怒りプンプン!
アラサー世代は女盛りなのです。恋愛も仕事も脂が乗りきり、ブイブイしていて当ったり前であります。おまけに、群れじゃない個々の女性のステージは、妊娠出産に育児と、精神的にも体力的にもハードなイベントがグイグイと畳み込みます。パートナーとの関係性も微妙になったりするかもしれない。アップアップとなるのも仕方ないんです。
ちょっとしたストレスで性ホルモンは乱れます。月経周期の乱れに伴う不調とか、いろいろあってごく正常。何十年も狂いなく万事順調なんて、金城鉄壁のWONDER WOMAN! コロナ鬱に猛暑バテ、体調不全・自律神経失調症で卵巣機能低下、更年期にありがちの不定愁訴もおかしくありません。
そんなこんなを一括りにして「若年性更年期障害」ですって? 「なんの言いがかりか」と啖呵切りたくもなります。心配症の人が本当に閉経っぽくなってSNSで訴えたら、どうするんですか。これ、たまに本物の早期閉経の方もありますから、定期的な婦人科受診をお勧めしますけれども。
メディアの皆さま、“若年性〇〇”とかいったエセ医学用語は脅迫となります。エセとは似而非(似て非なるもの)、言葉はよく意味をわかって慎重にお使いください。更年期が10年、エセの若年性更年期で10年。20年以上も更年期を意識して生きるなんてバカ臭い。なんの罰ゲームでありましょうか。