さて、みなさん、手鏡を見てください。顔を上に向けて斜め45度で。これが10年前のあなたです。次に、スマホを見るように顔を下げてください。そう、これが10年後のあなたです。我々は物理法則に抗うことはできません。りんごが木から落ちるように、長年負荷がかかった重力がたるみの原因です。若い時は絶え間ない細胞の再構築で原型を保っておりますが、そのうちにエネルギーも減弱し、神々しくもあった美しい構造物にもエラーが発生し、年月と共に微妙に崩壊していくのです。
特に悩ましいのが「たるみ」ですね。目の下(目袋)、頬から下の顎のライン(ブルドック)、首の下(鶏の肉垂)あたりがお悩みどころ。目袋と首はちょっと対策が違うので、別の機会にお話しします。今回は主に顔の下半分のフェイスラインに焦点を当ててみましょう。
アラフォーの皆さん、お顔に少々お肉(正確には脂肪)があるタイプであれば、医療HIFU(ハイフ)をお勧めします。HIFUとは複数の超音波を同時に照射して皮下にあるSMAS筋膜周辺に作用し、肌にハリを取り戻す施術マシン。SMAS筋膜の多数の超音波を点状に照射することで、SMAS筋膜やその周辺を熱で変形させます。組織がその状態から回復する際の自然治癒過程でアンチエイジング効果を発揮させるのです。状態によっては、フェイスラインや顎下に、線状に照射可能なリニア(拘縮効果は普通のHIFUより落ちますが、脂肪融解能力に長けている)を併用します。こちらは2週間に一度を3回試行して効果を見ます。
HIFUはお手軽。さほど痛みもなく、ダウンタイムなしで半年から一年位効果が持続します。ただし、脂肪少なめの方はコケて余計老けて見えることもあるので要注意。リスクは火傷の他、神経の通っている箇所は痺れや神経麻痺が生じる可能性もあるので、施術者の経験や知見を事前に確認しましょう。なお、またたるむのが嫌だからと頻繁にHIFUを試行するのはNGです。鶏ガラのようなお顔になってしまいますよ。何事もほどほどが重要です。
次回は、アラフィフの方へ。たるみの速度がHIFUでも間に合わなくなってしまった貴方へ次なる解決策をご紹介します。お楽しみに!