皆さま、こんにちは。今回は特に、タイにお住まいで日本へ一時帰国される機会のあるCBDオイル愛用者の皆さまに向けた非常に重要なお知らせです。
ご存じの通り、大麻に関する法規制は国によって大きく異なります。タイでは最近、大麻規制が大幅に緩和され、医療や美容、さらには健康維持のための利用が進んでいますが、日本においては2024年12月12日より、新しい大麻取締法が施行されるため、日本に帰国される際には注意が必要です。
良いニュースとして、日本では初めて医療用大麻が薬品として認められ、大麻草の部位規制(従来は茎や種子のみ使用可能)が撤廃され、植物全体からの成分抽出が可能になります。反面、THC(テトラヒドロカンナビノール)の残留量に関する基準が、従来よりも大幅に厳しくなりました。具体的には、これまでの規制に比べ、約20~1,000倍も厳格化されます。
厚生労働省が提示した最新のTHC残留基準は以下の通りです
●油脂類・粉末類:10mg/kg(10ppm)以下
●水溶液:0.1mg/kg(0.1ppm)以下
●その他の製品(化粧品、サプリメントなど):1mg/kg(1ppm)以下
この基準により、たとえCBDアイソレート製品であっても、高濃度の場合など超微量のTHCが新基準を超えて検出される可能性が高いです。十分ご注意ください。基準値を超える製品の所持や使用は、大麻取締法違反となる可能性があり、最悪の場合、麻薬所持や使用に準じた罪に問われるリスクもあります。たとえ医療用途で不眠や慢性疼痛の治療に使用している場合でも、特別な措置は取られません。
タイでは大麻製品が手軽に手に入り、CBDオイルを日常的に使用されている方も多いかと思いますが、日本へ一時帰国される際には、所持している製品が日本の新しい規制に適合しているか、事前に必ずご確認ください。THCフリーの表示があっても、基準を満たさない可能性があるため、基本的には日本への持ち込みを避けることをお勧めします。
最後に、ご質問やご相談がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
皆さまの安全と健康を心より願っております。
岩本麻奈
(日本ヘンプ協会評議員、日本臨床カンナビノイド学会認定登録医、臨床CBDオイル研究会ボードメンバー)