新年明けましておめでとうございます。
バンコクにお住まいの皆様にとって、高齢化の話題はまだ遠い未来の話に感じられるかもしれません。タイは活気ある若い国で、人口の多くが現役世代を占めています。しかし、隣国・日本は異なる状況にあります。2025年には、日本の「団塊の世代」約800万人が一斉に75歳以上、つまり後期高齢者となります。この「2025年問題」は、医療、福祉、そして経済全般にわたる深刻な課題を引き起こすと予想されています。
2025年問題の背景には、急速に進む少子高齢化があります。労働人口の減少、医療体制の逼迫、社会保障費の急増、人材不足といった課題が山積みです。これらの影響により、医療費や介護費、社会保険料の負担が増し、日本全体の社会・経済に大きな影響が避けられないと考えられています。さらに、事業継承の困難さも加わり、中小企業の存続や地方経済への影響も深刻化しています。
しかし、これは突如現れた問題ではありません。実際、少子高齢化は20年、30年前から予測されていた課題です。それにもかかわらず、十分な対策が取られてこなかったのは、日本の行政の対応の遅れを浮き彫りにしています。これは、現代日本が抱える構造的な問題とも言えるでしょう。
こうした状況を受けて、私は大胆な提案をしたいと思います。今こそ、日本は全国民のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進すべきです。悲観的に構えるのではなく、ピンチをチャンスに変える思いで、AIを活用し、行政や医療、福祉の効率化を進め、少ない労働力でも社会が回る仕組みを構築することが重要です。デジタル技術を日常生活や介護を含む医療体制に積極的に取り入れ、効率化を図ることは、少子化問題への長期的な対応にもつながるでしょう。
タイの皆様にとっても、日本が直面する高齢化の課題は、将来の参考になるかもしれません。高齢社会への備えはどの国にとっても重要であり、最先端のテクノロジーを活用したパラダイムシフトこそが、未来をより良いものにする鍵になると信じています。