コラム Dr.MANAのセンシュアルエイジング Vol.13 年の初めに…… 美がつくりだす力

Dr.MANAのセンシュアルエイジング

 あけましておめでとうございます!

 ここ数年、ことあるごとに私は「美は表象ではなく意志である」と語ってきました。この言葉は美の主体をどう考えるかの問題です。たとえば、あなた自身の美。化粧のテクニックやセレクトするコスチュームのセンスが美の主体とお考えでしょうか?

 いいえ、もっとも大切なものは、あなたが美しさを前向きにとらえ続けているかどうか、あなた自身がいつも美しくありたいと念じているかどうかなのです。つまり、There is a will, there is a way!

 美はかよわいものではありません、当然に力を持ちます。かつて私は「卓越した美は暴力となる」と言ったことがあります。いま、これは女性のもつ美しさに恐れをいだいた男性たちの悲鳴だったことがわかります。女性である私が発言する必要はなかったのです。美の力をもつ私たち女性としては、美がつくりだす力がどんなものであるかを、もっと冷静に理解することが大切です。

 ある一部の男性が振っているような、剥き出しの無法な力を「暴力」と呼びます。これに対して、女性であることで恵まれた美しさがもつ力は「威」と「医」の併存するふたつです。威は威風や威厳というように、目には見えない「相手を屈服させる品格や能力」のことです。「圧を感じる」と言いますね。医は旧字では「醫」や「毉」と表記されるように、戦いを止めて矢を箱に仕舞いこんだ後、薬や祈りによって傷や病を治癒する力です。美しさの力とは、威によって無法者や無礼者を戦(おのの)かせ、医によって人々に癒しをもたらす力のことです。「美しさは暴力を戦慄させ、世界を平和にする力をもつ」、なんと素晴らしいことでしょう!

 アメリカの中間選挙では女性と若者の投票率が伸び、下院では前代未聞の多数の女性議員が当選しました。いろいろな大躍進で、世界はすべての人に一歩ずつ解放されています。その地殻変動を起こしている主体は女性たちです。

 信じていいのです。今年も真っ正直に美しくなりましょう。強い美しさでありましょう。みなさま、おたがいさまに、どうぞよろしくお願いいたします!

 

Dr. MANA(岩本 麻奈)

一般社団法人・日本コスメティック協会名誉理事長/ナチュラルハーモニークリニック顧問医師/エッセイスト/コスメプロデューサー/美容ジャーナリスト 
皮膚科専門医。20年に渡るフランス滞在ののち、東洋のパリ“プノンペン”に転居。女性を元気に美しくする講演活動を続けている。「パリのマダムに生涯恋愛現役の秘訣を学ぶ」「生涯男性現役」(ディスカヴァー トゥエンティワン)「フランスの教育・子育てから学ぶ 、人生に消しゴムを使わない生き方」(日本経済新聞出版社)など、美容やライフスタイルに関する著作多数。近著は「結婚という呪いから逃げられる生き方」(ワニブックス)

公式HP: dr-mana.com   公式ブログ: ameblo.jp/dr-mana

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