青山と銀座のクリニックで睡眠美容外来を立ち上げて一年になりました。「睡眠美容」とは、一言で言えば「美人は夜つくられる」“Sleeping Beauty!"で、覚えてください。睡眠美容外来のアドヴァンテージ・ポイントは、たっぷり時間をかけてのカウンセリングです。予約制で自費診療だからこその特典をたっぷり享受していただきたいのです。問診票も(中医学レベルには及ばなくとも)それなりのボリュームがあります。
ある三十代の女性患者様の例をご紹介します。この方は、いらっしゃったとき、すっかり疲れきったご様子でした。不眠スケール(24点中4点以上を不眠傾向と判定)は8点。
仕事もうまくいっているし、社内外の人間関係も悪くありません。でもよく眠れないんです」とのこと。健康には気を使い、朝食は栄養を考えて摂っている、通勤もほどよい距離。ぬるま湯の長風呂に20分は浸かり、スマホをベッドまで持ち込んだりはしていない。じゃあ、一体なぜ?
そういえば、お夕食が抜けていますね。毎日何時ごろ、お召し上がりですか? それともいつも外食でしょうか?
「7時くらいでしょうか。実は姉の家で食べているんです。通勤途中ということもあり、何人分作るのも同じだから寄っていきなさいと言われて。そこに口達者な甥っ子と姪っ子がいるのです」
甥御さんや姪御さんと遊んでから帰られていらっしゃるの?
「いくら姉妹でも、毎日食べるだけで“じゃ、さようなら"は、さすがに…」
もしかしたら、それが原因かもしれません。近い親戚というのは、結構気を遣うものですよ。いい叔母さんを演じていませんか? 夕方に交感神経が活発になると、神経が昂ぶって入眠に影響するんです。できることなら、何かしらの理由をつけて、一週間ほど直帰なさってください。夕食は一人でサクッと食べて、好きに過ごしてみてくださいね。
この方はそれだけ(姉の家で食事するのをやめる)で、スッキリと不眠を解消なさいました。眠剤もメラトニンもサプリもCBDも何も必要なしに。 クリニックの経営的にはトホホですが、悩みが解消されるのを間近で見るのは、なによりの喜びですね