昨年「結婚という呪いから逃れられる生き方」(ワニブックス)を上梓してから婚活やモテとかへのコメント取材が増えました。結婚は人生の華、プレステージどころか呪いにもなってしまう昨今。結婚とは一体何なんでしょう?
結婚は誰もが経験する成人式のような通過儀礼ではなく、お年頃も雲散霧消してしまいました。「しないで済むなら面倒臭くなくていい」と思う独身男女も増えています。離婚率よりも未婚率が深刻なのです。
ふと「結婚はインフルエンザみたいなものかも」と気づき、それをWEB の記事にしたら大きな反響を呼びました。ちょっと考えてみましょう。
インフルは一度も罹らずに一生を終える人もいます「一度は経験したほうがいいよ」と世の中で言われるのは、インフルも結婚も同じです。インフルは一度罹患すると抗体ができ体が丈夫になります。結婚は所帯をもった経験によって(子どもの知恵熱のように)世渡りの知恵が身につくのです。
予防ワクチンはどうでしょう? 同棲だったら、家事の分担や愛の交信また夫婦喧嘩の作法など、より円滑に進むのではないかと言う人もいます。しかし、これでは結婚するための予行演習です。結婚の予防ワクチンなら結婚しないためのもの。結婚しないために同棲したのに、予期せぬ“おめでた”になったりして、敵の軍門に降る例は数多あります。
インフルは完治したらもう大丈夫という疾患ではありません。罹る人は性懲りも無く何度も罹ります。もっとも、結婚が病気であるとすると、大抵の人は一度目のインフルをこじらせて長引かせ、結局のところ合併症を患って生を全うされるようです。
あっ、大切なことを忘れていました。なりたくてインフルになる人は絶無ですが、結婚は絶対多数が「したくてしちゃう」ですね。死に至る病であることが予想されるのに、なんて人間は愛すべき愚か者なんでしょう。
乳と蜜流れる南国カナンの地とて、インフルから隔絶されていることはありません。北半球と南半球、双方から攻撃されて年に二度以上も流行るとか。さすがセンシュアルな南の国です。やっぱりインフルと結婚は切ってもきれない関係なんですね。どちらも命をとられる危険性がいっぱい!