読者のご質問にお答えいたします
読者の方から一番多かった質問にお答えいたします。基本的には個別のメールでのご質問にはお答えしておりませんので、一番多かったご質問にここでお答えいたします。
「クライエントは解決を求めていないのであれば、なぜkikiwellにアクセスするのですか」
この質問が特に多く寄せられました。例をあげて説明しますと、ある人が大事にしていた物を他者に壊されたとします。この方を苦しめている核心の部分は「元の状態に戻して」です。
もちろんそれは無理なので、賠償金を払わせるというところに落ち着きます。しかし賠償金は問題の核心ではありません。私たちは「周辺の問題」と言っていますが、どれほど甘美な「周辺の問題解決案」を持ってこられても、核心の問題は解決することはありません。クライエントはそれを知っているということです。
これを読んでいる貴方。「私の大事な物を壊されても30億円くらい払ってもらえるなら許せるかな」なんて思っていませんか?それではこれが大事な家族でもそう言えますか?
気持ちを置いていける場所
それでは何故kikiwellにアクセスするのか。クライエントからお話を伺うと怒り、悲しみ、嗚咽、寂しさ、不満、大泣き、せつなさ…。普段言い出せない感情や行動を言ったりやったりします。それは「そのような事ができる場所」だからです。クライエントはそれらをしても傷つけられることや行動を制止されないことを知っています。感情を遠慮せずに出せるのがカウンセリングです。友人やパートナーなどに話す場合は少し遠慮したり言えない部分もありますよね。
このように解決ではなく気持ちを置いていける場所を提供することがカウンセリングの場での第一義となります。「絶対安全地帯」とでも言いましょうか。
カウンセラーは問題を解決してあげられない自分に無力感を感じる事がありますが、そもそも解決自体が有り得ないのです。でも、その苦しみから逃れる方法を一緒に考えることはできます。これがご質問への答えになります。