コラム 聞き上手な日々 第1回 叱る? 叱らない? 態度を決める3つの視点

聞き上手な日々

第1回 叱る? 叱らない? 態度を決める3つの視点

Q. 5歳の息子は家族でレストランに行くと嬉しくて大騒ぎ。優しく言っても聞かず、強く叱ると大泣き。叱るべきか放っておいたほうが良いのか迷います。

A. この場合の行動は2択。叱ってやめさせるか、叱らず放っておくか。それを決めるために「プロが心がけている、態度を決める3つの視点」についてお話します。

視点1 本人の気持ちへの配慮

  • 楽しい時間にする
  • 自由にできる経験の確保
  • 人前で注意して自尊心を傷つけない等

視点2 しつけ・社会的配慮

  • 迷惑だから静かに
  • 食事中のマナーを学ぶ
  • わがままの抑制等

視点3 自分への配慮

  • 外食の時くらい私も楽しみたい
  • 夫に叱ってほしいから私はあえて何も言わない
  • 今日は頭が痛いから叱る気力がない等

次に、今ここでどうしても譲れないことを「ひとつだけ」選んでください。そしてその「ひとつだけ」を大事に守るために、叱ったり叱らなかったりして下さい。叱る理由・叱らない理由を明確に説明できるようにしておくことで、自分の判断に自信が持てます。「今何を一番大切にしているのか」を意識して行動を決めてみましょう

保育士や幼稚園教諭・教師は自分のことを「人的環境」ととらえており、自身の態度や言葉かけについて「物的環境」以上に重要視し、常に細心の注意を払うよう努力しています。「なぜ、どんな理由で今そうしているのか」を明確に説明できるのがプロです。「本当はもうお部屋に入る時間なんですけど、副担任の先生にお願いして一緒に外で遊んでもらいました。今日は初めて泣かずに来てくれたから、幼稚園は楽しいところだよって知らせたかったので」「自分で着替えることができますが今日はあえて手伝いました。最近下の子が生まれて不安定だと聞いているので」というふうに。

バランスよく色々な視点を取り入れること。そして保育士と違い、24時間体制で子どもをみているお母様は「自分への配慮」も取り入れてみてくださいね。


追伸:このコラムは頑張って800文字にまとめました! この記事の内容をもっと詳しく知りたい方は「子育てにプロのテクニックをプラス!」で検索

あさくら ゆかり

幼稚園教諭・保育士・小学校学級 支援員を経て2007年より心理カ ウンセラーに。
(株)kikiwellキキウェルメンタルヘルスサービスに所属し、14年間で11,000件の電話カウンセリング実施、現在も365日活動中。
(社)日本ライトカウンセリング協会代表理事でもあり、自らカウンセラー養成講座 の講師も務める。「子どもへの対応は人間関係の基本。
誰にでも、 大人にも通じる!」をモットーに、心理学・コミュニケーションにつ いて日々学びつつ意欲的に発信し続けている。
著書に「はげます技 術」(サンマーク出版)。
夫、20代の2人娘の4人家族

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