みなさま、いかがお過ごしですか ? 元幼稚園教諭・心理カウンセラーのあさくらゆかりです。前回のコラムでは「イヤイヤ期・反抗期を余裕で過ごすステップ」として 3 点お伝えしました。
Step1 感情に名前を付ける
Step2 感情の強弱を意識させる
Step3 感情はコントロールする必要があると伝える
今回はその続き、保育・教育のプロが現場で使っている「イヤイヤする子」への対応についてお伝えします。
プロの技1
ギャン泣きに対し「泣いている人とはお話しません」と言う
イヤイヤと駄々をこねて泣いている子は、最初は「思い通りにいかない怒り・悲しみ」で泣いていたとしても、泣き続けているうちに目的を見失っている可能性も。実は子どものほうも泣き止むタイミングを見計らっていることすらあります。子どものコントロール力を補完するつもりで、注意をそらさず、冷静に簡潔に話すのが指導的態度です。「泣いている人とはお話しません。静かになったらお話しようね」と伝え「感情の交流」ではなく「情報の伝達」をします。
プロの技2
子どもを「負けた人」にしない
ドッジボールやリレー、ボードゲーム、トランプやかるたなど、勝ち負けのある遊びは 4 ~ 5 歳頃から可能になります。お子さんがそのくらいの年齢である場合は普段の会話の中でもできるだけ子どもを「負けた人」にしないことです。「親の言うことを聞く=子どもの負け」という図式が成立してしまう 例として「○○しなさい!わ かっ たの?」→「はい、わかりました」というやり取りが挙げられます。この場合、命令する人と言うことを聞く人という関係性になり、子どもの負けになってしまう恐れがあります。子どもを「負けた人」にしないような言い方を工夫しましょう。
例:公園からなかなか帰ろうとしない時
×「今すぐ帰るわよ!」(命令)→「はいわかりました」(服従・負け)
〇選ばせる「今すぐ帰るのと、あと5 分遊んで帰るのと、どっちがいい?」
〇折衷案を出す「今日はもう帰ります。明日は今日より遅くてもいいから」
プロの技3
「嫌なこと」だけでなく「好きなこと」にもフォーカスする
イヤイヤが激しいと、ついついため息が出ますね。でもここは切り替えて、子どもの「嫌」や「やりたくない」にばかりフォーカスせず「好き」「やりたい」にも意識的に目を向けてみましょう。子どもの好きなこと、大切にしている時間を知り、その物やその時間をバカにせず、大切に扱います。したいことをしても良い時間をあえて意識的に確保し「今、したいことをしているんだね」「これが好きなんだね」と言葉で知らせていきましょう。子どもも大人も、人はやりたいことを存分にできる時間があるからこそ、そうでない時間や事柄を受け入れることができるのです。