タイ野菜でべジフルライフ

第69回 紫キャベツ

紫キャベツ/赤キャベツ
Red Cabbage
กะหลํา่ปลสีมีว่ง(ガランプリー・シームアン)

いよいよ2015年未年!何を隠そう私は年女となります。別に年女だから何があるというわけでもないようですが、せっかくなので何か意味のある年にしたいですね。まずは、ますますSALADeeを繁盛させ、野菜ソムリエ仲間を増やして活発に活動したいと思います。ジュニア野菜ソムリエとベジフルビューティーベーシックは、日本野菜ソムリエ協会が認定する資格ですが、海外では唯一タイで受験できます。資格を取ると、野菜ソムリエコミュニティBangkokの活動にご参加いただけます。コミュニティでは、勉強会を開催して情報交換をしておりますが、ここで得られる情報は、帰国後の大きな強みとなるでしょう。メンバーの中には、日本で料理教室を開いたり、野菜関係の仕事についている人もいます。

 

最近の勉強会では、タラートに出かけたり、ハロウィーンに合わせて黄色と紫、クリスマスに合わせて赤と緑の野菜や果物を使った料理を持ち寄って試食もしました。三人寄ればとか十人十色と言いますが、同じ野菜でも「こんな使い方ができるんだ~!」と感心することばかり。いつもたくさんの刺激をもらえて「野菜が楽しい!」を実感できます。あなたも新しい年に新しい資格にチャレンジしてみませんか?

 

色をテーマにした勉強会は、実に興味深いものでした。今月は、野菜の色を考える時に私がまず一番に頭に浮かぶ野菜、紫キャベツを紹介します。タイ野菜ではありませんが、派手好きなタイ人の特性か、日本よりもよく利用されている気がします。レモンを絞ると色が変わるアンチャンなども面白いですが、紫キャベツのビックリ変化もぜひお試しいただきたいところです。

 

キャベツは、ヨーロッパ原産のケールを祖とするアブラナ科の野菜です。紫キャベツは、一般のキャベツより小ぶりで巻きがかたく、葉に厚みがあって表面が鮮やかな紫色をしています。選ぶ時は、なるべく葉先がピンとしていて薄く、持った時に重みを感じるものがいいでしょう。日持ちはいい方ですが、乾燥しないようにラップで包んで冷蔵庫で保存してください。

 

キャベツは、キャベジンとも呼ばれるビタミンUを多く含むのが特徴です。胃の粘膜を修復したり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の予防、肝臓の解毒作用が期待され、古代から薬用としても利用されてきました。またビタミンCやカルシウム、ビタミンKも豊富です。紫キャベツはさらに栄養価が高く、ビタミンAは緑のキャベツの10倍、ビタミンCは1.6倍、鉄が2倍含まれていると言われます。紫の色素は、抗酸化作用のあるアントシアニンで、眼精疲労の改善や視力効果、活性酸素の除去に効果があります。

 

この紫の色素は、水に溶けだしやすく、煮ると煮汁まで紫色になります。ここに酸性のものを加えると赤く、アルカリ性のものを加えると緑色になり、まるで理科の実験のようです。ビックリ変化とは、中華麺で焼きそばを作ると、麺に含まれるかんすいのせいでキャベツではなく麺が緑色になるのです。そこにソースを加えると茶色、酢など酸を加えると紫に戻るので、三食焼きそばを楽しめてしまいます。

 

効率的に栄養をとるためには、マリネやピクルス、サラダなどの生がおすすめですが、炒めたり煮たりした美味しさも捨てがたいものです。色の変化が楽しめて栄養豊富な紫キャベツ、ぜひ食卓を飾ってみてください。

青澤直子

健幸料理研究家(野菜ソムリエ&雑穀エキスパート)
健幸料理の店 SALADee
491/14-15 Silom PlazaGF, Silom Road

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