タイ野菜でべジフルライフ

第41回 アボカド

アボカド/ワニナシ(鰐梨)
Avocado/Alligator Pear
อะโวคาโด(アオカド)

私事ですが、この7月で45歳になりました。年をとることはイヤではないので、隠したりためいきをついたりすることはありません。たしかにお腹が出て痩せにくくなったとか、疲れが顔に出やすくなったと感じたりはしますが、いろいろな不調を年のせいにしてごまかさないよう気をつけています。お腹が出たのはやはり食べ過ぎですし、顔は手入れ不足、睡眠不足でもあります。今の自分は、食べ物や運動、生活習慣、人間関係など自分の過ごしてきた時間が形になっています。今の自分を褒められるのが理想ですが、もしダメでも責める必要はありません。人間、いつからでも変われます。まだまだこれからいくらでも改善できる未来を思えば、年をとるのも楽しいと思いませんか?まずは、常にどんな自分になりたいかを意識して今日を生きたいところです。そのためにもやはり重要なのは食事です。今の元気も未来の元気も食事が基本!一食一食を大事にしていきたいですね。

 

さて今月は、アボカドです。「アボカドって輸入品なのに?」と思うでしょうが、タイでもアボカドを作っています。しかも日本ではみかけない品種です。輸入品より断然安いのでおすすめですよ!10年前、カオヤイからの帰りにラグビーボールかと思う様な大きなアボカドを道端の果物屋でみつけました。期待しないで買って食べると、まぎれもなくまったりおいしいアボカドです。ところが、2度とそのアボカドに出会うチャンスがなく、またタイ産アボカドを知っている人は「そんなにおいしいものではない」なんて言うし、なんだか幻のような状態になっています。

 

アメリカ大陸原産の果物で、「アボガド」と呼ぶ方も多いでしょうが、正しくは「アボカド」です。日本のアボカドの9割はメキシコ産で、洋ナシ型で皮がザラザラ、未熟の時に緑で熟熟すすと黒くなるタイプのものですが、実に多くの品種があり、熟しても黒くならないものもあります。タイでもいくつかの品種が導入されていますが、多くは表面がツルツルして大きくふっくらした形です。

 

「森のバター」と呼ばれたことで、高カロリーで脂肪分が多く太ると敬遠されがちですが、「食べる美容液」という呼び名もあります。たしかにカロリーはドリアンに比べても高いのですが、脂肪分は、悪玉コレステロールを取り除き、血液をサラサラにする働きのあるリノール酸やオレイン酸です。ビタミンE、A、C、カリウム、葉酸、食物繊維をはじめ、ギネスブックに最も栄養価の高い果物として登録されたスーパーフードなのです。
選び方は、未熟でも熟した物でもハリとツヤがあるものがよく、ヘタと果皮の間に隙間がないものがいいでしょう。ヘタの方から熟すので、ヘタの周りが柔らか過ぎたりとれているものは変色している可能性が高いです。熟す前に冷蔵庫にいれると追熟がとまってしまいますが、30度もあるようなところだと逆に高温障害になってしまいます。熟してからは、ビニール袋に入れて冷蔵庫で保存します。切ったアボカドは種を取り除いて、変色を防ぐためにマナオやレモン汁をかけます。ラップをすれば冷蔵も冷凍もできます。割ってみてかたかったらスープや炒め物など加熱して食べたり、柔らかすぎたり黒くなっていたらジュースにしたりピュレにするといいでしょう。最近ではレシピもどんどん増えていますので、ネットで検索するなどして楽しんでみてください。

青澤直子

健幸料理研究家(野菜ソムリエ&雑穀エキスパート)
健幸料理の店 SALADee
491/14-15 Silom PlazaGF, Silom Road

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