コラム タイ野菜でべジフルライフ 第23回 カイラン(カナ―)

タイ野菜でべジフルライフ

第23回 カイラン(カナ―)

芥藍(カイラン)
Chinese Kale
คะน้า (カナー)

2011年がスタートしました。今年はさらに健幸料理を広めていきたいと考えています。実は、昨年末に身内が倒れ、あらためて食と健康について考える機会となったのでした。慌ててかけつけた家の冷蔵庫の中やコタツの上を見て、なぜ健康を害したのか納得でしたが、本人には、全く自覚がなかったようです。お菓子を食べること、炒めものや揚げものを食べること、インスタントや市販のお惣菜を食べること、それぞれ悪いとは言いませんが、量やバランス、積み重ねの問題です。この問題に気がつかないのがコワイことで、無自覚になんでも口に入れていてはいけないんですよね。本人も二度とつらい思いをしたくないので、これからは、油と甘いものを控えたいと病床で語っておりました。

 

健康的な食生活の基本は、やっぱり野菜と果物!ですね。献立を考える時、肉や魚ではなく、まずはなんの野菜・果物を食べようかと先に考えると、自然と健康的な食卓になると思います。

 

さて、思いがけずに過ごした日本の正月でしたが、おかげでスーパーをじっくり眺めることができました。日本の野菜は本当にきれいで、聞いたこともない品種がたくさんあって驚きました。ただ、冬が旬のはずの青菜類が、タイに比べてさみしく感じました。タイに戻って緑いっぱいのタラート(市場)をみた時には、「タイに帰って来た~!」とうれしくなったほどです。そういえば、私が勝手に「タイ三大青菜」と呼んでいる野菜があります。既に紹介した空芯菜(パックブン)と広東菜(パック・クワントゥン)、そしてもう一つ、なぜ今まで取り上げずにきたのかしらと思うほど栄養たっぷりのすばらしい野菜、カイランです。今月は、このカイランを取り上げてみます。

 

青汁にも使われていて、中国ケールとも呼ばれます。暑さに強く年中出回っていますが、10月~4月に甘みが強くなります。以前は、太い茎で団扇ほどの大きさの葉をつけたものが主流でしたが、最近は、小さめのタイ種の「BabyKale/TippedKale」と香港種が人気です。まれに太い茎だけの中国種もみかけます。葉や花はわずかに苦味を感じ、茎の方が甘くて好まれています。菜の花のような花つきで売られていることもあり、広東菜にそっくりでアブラナ科の仲間だということがよくわかります。

 

とにかく栄養豊富ですので、日常的に食べていただきたい野菜です。特にカルシウムの含有量が際だって多く、βカロテンとビタミンCも他の野菜に比べて多く含まれています。カルシウムの効果をあげるためには、ビタミンDの豊富なキノコやマグネシウムの豊富なゴマやナッツなどと組み合わせて食べるといいでしょう。外食では炒め物で出てくることが多いですが、茹でて和えものやサラダにしてもよく合います。ブロッコリーやアスパラガスをイメージしてアレンジするといいでしょう。果物と組み合わせると、青汁とは違うおいしいジュースができます。太い茎は、ピーラーなどで皮を剥いて節をとると食べやすくなり、生でも食べられます。手軽に食べるには、小さいタイプが扱いやすくていいかもしれません。

 

保存は、湿らせた新聞紙に包んで冷蔵庫にいれてください。葉が変色しやすいので早目に食べてください。さっと茹でてから冷蔵庫で保存した方が長持ちします。

青澤直子

健幸料理研究家(野菜ソムリエ&雑穀エキスパート)
健幸料理の店 SALADee
491/14-15 Silom PlazaGF, Silom Road

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