コラム タイ野菜でべジフルライフ 第53回 クズイモ(マンゲーオ)

タイ野菜でべジフルライフ

第53回 クズイモ(マンゲーオ)

クズイモ/ヒカマ
Jicama / Yam bean
มันแกว(マンゲーオ)

この9月で SALADee 開店1年となります。悪戦苦闘の毎日で、商売の難しさを実感させられた1年でもありました。「健幸料理を少しでも多くの人に」をモットーに、毎日気軽に食べていただけるようにとギリギリの値段設定にしていますので、数字をみながら一喜一憂しています。6月には、スクムビット49のジムにあるカフェに間借りをして支店らしきものを開店してみたのですが、時期尚早でした。なかなか目が届かない上に、営業許可がとれないため宣伝もままならず、やむなく2ヶ月で撤退という失態。スクムビットで食べられると喜んでくださった方の期待を裏切り、実際にご足労いただいて無駄足を踏ませてしまった方もいらっしゃるかもしれません。この場をお借りしてお詫び申し上げます。

 

開店して、大変なことも多いですが、もちろん、うれしいこともたくさんあり、それが励みとなっています。貧血がひどいと、頻繁に通ってソムタムなどをモリモリ食べていたら、お医者さんもビックリ、初めて正常値になったという方がおりました。日本からの旅行者で、疲れていた時に立ち寄って食べた料理が優しくてありがたかったと、戻られてからわざわざお礼をくださった方もおりました。健幸料理倶楽部の他、ハワイアンダンスやベリーダンス、演奏会やマジックショーがあったりと、「ヘルシー&ハッピーな食のオモシロ空間」という目標にも近づいていています。どうぞこれからも皆様のご指導、ご支援、よろしくお願いします。

 

さて、今月はマンゲーオ、タイの野菜の勉強を始めてから出会った不思議な野菜を紹介します。

 

メキシコ原産のマメ科の野菜ですが、日本では、地下の塊根を食べることから芋と名がついています。同じマメ科のクズに似ているのでクズイモ。英語では、ヤムイモに似た豆なのでヤムビーン、中国でも「豆薯」と呼ばれています。

 

熱帯アジアでも広く栽培されていて、タイでは、生で食べられることが多いようです。シャリシャリとした食感と甘みは梨にそっくりです。ジャガイモがちょ~っと混じったような、そんな粉っぽさがある残念な梨という感じですが、果物と言われてもわからないほどです。タイでは、その他、豚肉と一緒に炒めたり、ヤムにして食べたり、お菓子にも利用されます。本場メキシコでは、サラダや炒め物の他、スープにしたり、生でサルサをつけて食べるそうです。野菜は根から花までなんでも食べてしまうタイですが、マンゲーオは、根以外の部分、特に種子は有毒なため、殺虫剤として利用されています。畑で見かけても葉をパクっとしませんように。

 

乾燥した風通しのいい場所であれば1~2ヶ月保存できます。熱帯の植物ですので、冷蔵庫に入れると低温障害を起こします。冷たくして食べたければ、食べる直前に氷で冷やすといいでしょう。
片手に乗るかわいらしいものから、両手でやっと抱えられるほど大きなものまであります。小さいものは、手で簡単に皮を剥くことができますので、まさにおやつとして食べるのにピッタリです。9割近くが水分ですが、糖の吸収を抑制し血糖値の上昇を抑える働きがあるイヌリンが含まれていますので、糖尿病予防に効果的です。また、善玉菌を増やし、腸内の環境を整える効果も持っています。

青澤直子

健幸料理研究家(野菜ソムリエ&雑穀エキスパート)
健幸料理の店 SALADee
491/14-15 Silom PlazaGF, Silom Road

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