コラム タイ野菜でべジフルライフ 第4回 アマメシバ(パックワーンバーン)

タイ野菜でべジフルライフ

第4回 アマメシバ(パックワーンバーン)

天芽芝(アマメシバ)
SweetLeafBush
ผักหวานบา้น (パックワーンバーン)

10年前に比べてタイのスーパーは、すっかりおしゃれで便利になりました。日本人にも馴染みのある野菜、日本にいてもなかなか目にしないおしゃれな西洋野菜もみかけるようになりました。一時期、外国人好みのお決まりの野菜しか並ばず、野菜売場がつまらなくなったと思ったのですが、最近、市場でしか見なかったようなマニアックなタイ野菜もみかけるようになりました。

 

そんな中で大出世と呼びたくなるのが「パックワーンバーン」です。日本語で「アマメシバ」といいますが、タイ人でも知らない人がいるような野菜です。実は野菜ではなく木の新芽や葉の部分で、緑が濃く、いかにもクセがありそうで手を出すのにちょっと勇気がいります。「バーン(家)」という名前も、なんだか雑草みたいです。ところが、食べてみると「パックワーン(甘い野菜)」という名に納得!アスパラガスのような甘み、山菜のような深い味わいで、なんだか郷愁の念にかられるほどです。私の周りでは、ちょっとしたブームになりました。

 

スーパーにパックワーンバーンが年中出回るようになって喜んでいたら、今度は、「パックワーンパー」というのが現れました。「パー(森)」ですよ、、、ますます木の葉っぽい…。いえ、ホントに木の葉そのものでして、細い枝付で売られています。葉が鮮やかな黄緑でまぶしいほどです。正体を調べてみましたら、「サラダノキ」と呼ばれるものでした。ヨーロッパ人がこの葉をレタスのかわりにサラダにして食べていたそうで、英語では、「LettuceTree」「CabbageTree」とも呼ばれています。サラダでもスープにしてもよく、色がきれいなので盛り付けのアクセントにも使えます。市場にはなかなか行けないという方でも、スーパーで十分にタイ野菜を楽しめるようになっています。特に高級スーパーの品揃えが充実していますが、タイ野菜ですので、値段はかわいいものです。スーパーごとに特徴がありますので、たまにはスーパー巡りをして、じっくりと隅から隅まで野菜売場をチェックしてみてください!

 

東南アジア原産の低木で、新芽や葉を食べます。新芽は細いアスパラガスの先に葉がついたような状態できれいに揃えて売られています。茎(新芽)の部分は、下の方がかたければ切り落としますが、大体、食べられます。もう少し成長した段階のものは、すっかり枝になった状態で売られていますので、面倒ですが葉ややわらかい部分だけをとって食べます。枝を大量に捨てるので気がひけますが、栄養は葉の方に多くあるので気にしなくていいです。

 

タイ人は炒めたりナムプリックやクイティオの具にしています。すぐに火が通りますので、茹で時間は1分程度でいいでしょう。醤油とおかかで食べるだけでそのおいしさがわかります。茹でて和え物やサラダにしたり、炒め物、スープや麺の具として、アスパラガスや山菜のように利用してみてください。アマメシバは、アシタバやモロヘイヤに勝るとも劣らない強力な抗酸化作用があり、栄養価が高く、ダイエットに効果があるとして、日本や台湾でサプリメントや生ジュースが売られていました。ところが、長期に摂取した人が体の不調を訴えたことで販売中止となりました。昔から日常的に食している東南アジアでは健康被害は報告されていませんので、加熱処理せず生やサプリメントで「大量に」「連続して」「長期間」摂取したことが原因とされています。自然のものというのは、薬にもなれば毒にもなるものです。加熱して食事で食べる程度の量であれば問題ありません。ダイエットにいいと言われると気になりますが、ジュースにして毎日飲むのはやめておきましょー。

青澤直子

健幸料理研究家(野菜ソムリエ&雑穀エキスパート)
健幸料理の店 SALADee
491/14-15 Silom PlazaGF, Silom Road

関連記事...

バックナンバー情報..