コラム タイ野菜でべジフルライフ 第27回 カシューナッツ

タイ野菜でべジフルライフ

第27回 カシューナッツ

カシューナッツ
Cashew Nuts
เม็ดมะม่วงหิมพานต (メット・マムアンヒマバーン)

世の中、引き寄せの法則とでもいうようなラッキーなことが度々起こるものですね。先日、胡麻豆腐のイメージでカシューナッツ豆腐を作ってみましたら、上品な甘さでまったりしてて絶品!自画自賛しつつ、ふと、カシューナッツはタイの名産でもあり、日本よりずいぶんと手軽に入手できるし、栄養価にも優れているのでこのコラムで紹介してみようと思い立ちました。そんな時にタイ人の友人宅でバジルやリーフレタスに交じって見たこともない葉が供されたのですが、それがナント、カシューナッツの木の葉だったのです。ほんのりと酸味があるけどクセになるおいしさでした。10年ほど前、ラノーンで初めてカシューナットノキ(日本語の正式名称)を見たのですが、なんとも妙な実のつき方に感動しました。それを紹介したいと思ったのですが、写真がありません。いつかプーケットにでも遊びに行って探し回るしかないか、これはもう来年の話かな、とあきらめかけた原稿締切直前、ナコンナヨックにあるヤマギシさんの農場にお邪魔したら、いきなりあるじゃありませんか! いやぁ~、こんな身近で出会えるとは夢にも思いませんでしたし、タイミングのよさにビックリです。カシューナッツの加工は難しいと言われますが、特別に家庭で食べる方法をご披露いただきました。興奮状態をまだひきずっておりますので、写真でお伝えします。

 

乾燥させて乾煎りしてから燃やして炭状になった殻を割って食べます。

 

ブラジル原産のウルシ科の木で、南米や熱帯アジア、アフリカで広く栽培されています。タイは南部が特に有名産地で、暑季前後に実がなります。ナッツは、カシューアップルと呼ばれる洋梨のような果実から飛び出すようになっています。カ シューアップルもリンゴに似た香りがして甘いので、ジャムやジュース、酒などに利用されるそうです。緑色の殻に覆われたナッツは、ウルシ科なので下手に触るとかぶれてしまい、加工には技術が必要なようです。

 

ナッツ類は全般に栄養豊富で、健康と美容のために1日20グラム程度(一握り程度)摂取するとよいと言われます。特にカシューナッツは、免疫力を高める亜鉛や疲労回復に効果のあるビタミンB1を多く含み、脂質のほとんどは悪玉コレステロール値を下げるオレイン酸です。空腹時にちょっとつまむのに理想的ですが、なんでも食べ過ぎはよくないので「やめられない♪ とまらない♪」状態にならないよう気をつけてください。保存は、湿気しないよう密閉容器に入れ、日光の当たらないところに置いてください。大量に買って3ヶ月以上長期保存が必要な場合は、冷凍するといいでしょう。

 

カシューナッツと鶏肉の炒め物が有名ですが、それ以外にも幅広く使えます。サラダや炒め物に加えると上品な甘味がプラスされます。水やヨーグルトと一緒にペースト状にしてカレーに加える甘味とコクが出ます。そのペーストを豆腐に混ぜたり、味噌やダシ醤油と混ぜて和え物にしてもいいでしょう。ピーナッツバターやゴマペーストのイメージで利用してみてください。みじん切りや粉末にしてきな粉のような使い方もできます。せっかくタイにいるのですから、カシューナッツを使ったアイデア料理に挑戦してください!

 

青澤直子

健幸料理研究家(野菜ソムリエ&雑穀エキスパート)
健幸料理の店 SALADee
491/14-15 Silom PlazaGF, Silom Road

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