コラム タイ野菜でべジフルライフ 第177回 ワイルドゴーヤー(マラ・キーノック)

タイ野菜でべジフルライフ

第177回 ワイルドゴーヤー(マラ・キーノック)

ワイルドゴーヤー (苦瓜野生種)
Wild bitter gurad / Wild bitter melon
มะระขี้นก (マラ・キーノック)

先月からタイでも見かける野菜で、バングラデシュで食べて印象的だったものを紹介しています。今回は、小さくて見た目はかわいらしいニガウリの野生種です。和名は特にないのでワイルドゴーヤーとしておきます。タイでは、黄緑色の突起がないニガウリ(マラ・チーン)が一般的で、このゴーヤーは罰ゲームのような苦さであまり出回っていません。ところが、そんな苦味を美味しいと思える料理に出会ったので、アレンジしてみました。

和風コロラバジ(2~3人分)

  • ニガウリ(マラ・キーノック) … 3~4本(約150g)
  • ジャガイモ … 1/2個(約80g)
  • ニンニク … 2~3片
  • ホームデーン(赤タマネギ、なければ普通のタマネギ) … 120g
  • 緑の唐辛子 … お好みで
  • ターメリック(カレーパウダーでも) … 小さじ1
  • 塩 … 適量
  • コショウ … 適量
  • 味噌(ダシ入) … 小さじ1
  • 油(ココナッツオイルなど) … 大さじ1~2
  1. ニガウリは、縦半分にカットして種をとりのぞき、5㎜くらいの厚さにカットします
  2. ジャガイモとホームデーンも5㎜程度にスライス、ニンニクはみじん切り、トウガラシは、大きめにカットします
  3. フライパンに油をひいて、ニンニク、ホームデーンの順にじっくり炒めて色がかわるくらいになったらニガウリ、ジャガイモを加えて10分ほど炒めます
  4. 味噌、塩、コショウで味を調え、さらに5分ほど炒めます

 コロラバジは、バングラデシュ版ゴーヤーチャンプルーという感じでしょうか。ポテトや卵はお好みでプラスされていますが、シンプルな方が多いです。ポイントは焦がさないようにとにかくよく加熱すること。大変であれば、途中で電子レンジを利用してもいいでしょう。和風テイストと旨味成分を意識して隠し味的に味噌を使いましたが、シンプルに塩、コショウだけでも美味しいです。大人の味でおつまみにピッタリな苦味を楽しむ料理、コッテリした肉料理やカレーによく合うでしょう。

ワイルドゴーヤー(苦瓜野生種)

タイ語のマラは、ニガウリのことで、キーノックは、鳥の糞という意味です。ニガウリの原産地はインド周辺の熱帯ですので、タイのこのタイプも野生種として残っているのでしょう。見た目は、沖縄のゴーヤーの小型版という感じですが、そのサイズに苦味も栄養も凝縮されているかのようです。実際に大型のものよりモモルディシンの含有量が豊富で、特に糖尿病や通風予防によいとされ、血圧降下作用や関節痛を和らげる鎮静効果があると言われています。

苦味を取る方法はいろいろ伝えられていますが、塩や砂糖でもむ、塩水に浸ける、熱湯を通す、油を通す、旨味成分と合わせるなどありますので、料理に合わせてお試しください。

青澤直子

健幸料理研究家(野菜ソムリエ&雑穀エキスパート)
健幸料理の店 SALADee
491/14-15 Silom PlazaGF, Silom Road

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