コラム タイ野菜でべジフルライフ 第24回 ベビーコーン
第24回 ベビーコーン
ベビーコーン
Baby corn
ข้าวโพดอ่อน (カーオポート・オーン)
野菜ソムリエコミュニティ Bangkok では、今年から「タイで楽しむ 日本の年中行事」というテーマで、野菜・果物をからめたミニセミナー を開催して行く予定です。ぜひ、本欄やブログ、メルマガなどでセミナー 情報をゲットしてください。このセミナー開催にあたり、私もレシピをあ れこれ考えております。行事を祝う華やかな料理にしようと思うと、野 菜の色や切り方が大事になりますね。カービングを習った方なら、思っ た形にさっとカッティングできてしまうのでしょうか。不器用な私は、もっ ぱらニンジンなどを花型でくり抜くのが精いっぱいだったりします。でも、 ただ切るだけで楽しい野菜もあります。以前に紹介したシカクマメは、 小口切りにすると四角というより、忍者の手裏剣のような、バンザイ しているような、なんだか愉快な形です。オクラも独特の形ですね。 もう一つ、長いこと小口切りにするというアイデアを見過ごしていた野 菜があります。それがベビーコーンです。今回は、ベビーコーンをとり あげてみます。
タイ料理屋で野菜炒めを頼むと、ゴロンゴロンと豪快にベビーコー ンが入っていますが、タイに来たばかりの頃は、ちょっとした衝撃でした。 日本では缶詰しか食べたことがなく、タイでポピュラーな野菜だという ことにも驚きですし、そのおいしさにも感激したのでした。手軽に調理 できるのでよく買って利用しますが、そのままか、ゴロゴロと切るしか 芸がありませんでした。薄めの小口切りにすると、かわいらしいお花 のようになると知って目からウロコでした。さらにみじん切りにすると、 他にはない粒々感を味わえます。ベビーコーンに限らず、野菜の切り 方って、自分で決めてしまっていることがありませんか? いつもと違う 切り方にしてみると、食感の違いや印象の違いなど、新たな発見が あるものです。
日本ではヤングコーンとも呼ばれていて、もともとは、スイートコーンなどの幼果を摘み取 取ったものです。タイは、専用種で大量栽培をしていて、世界の流通量の大半がタイ産ともいわれています。食物繊維が多く、葉酸、ビタミンB6、カリウム、カルシウムなどが含まれていますが、スイートコーンに比べると栄養価は 控えめで、食感や味を楽しむ野菜ともいえます。実がなってヒゲが生 えてすぐに収穫するので、農薬の必要がほとんどなく栽培が楽ですが、 収穫の手間がかかるそうで、農家にとっては悩ましい野菜のようです。 以前は、皮つきのものをよく見かけましたが、最近は、すっかり皮が 剥かれたものが売られています。さっと洗うだけで使えるので便利です が、やはり皮つきの方がおいしいような気がします。皮つきが手に入っ たら、ヒゲも食してみてください。意外な甘味で、利尿作用があり、 むくみがとれるということで漢方に利用されています。
生のベビーコーンは、おひたしやピクルスにしたり、シンプルに茹 でたり焼いたりして、まずはおいしさを実感してください。新鮮なもの は生でも食べられます(ちょっと青臭いですが)。茹で時間は、人によっ て 15 秒という方から 5 分という方までいるので、これはお好みという ことになりますね。長く茹でても崩れることはありません。他には、炒 め物、天ぷら、サラダ、スープ、煮物、ご飯やパスタに合わせるなどなど、 メインとしてもトッピングとしてもいろいろな切り方でお試しください。保 存は、ポリ袋かラップで包んで冷蔵庫で保管します。茹でてから冷蔵 か冷凍にすると長持ちします。
青澤直子
健幸料理研究家(野菜ソムリエ&雑穀エキスパート)
健幸料理の店 SALADee
491/14-15 Silom PlazaGF, Silom Road