コラム お金の知識を高めるコラム Vol.10 保険で資産を運用するなんて、できるの?

お金の知識を高めるコラム

Vol.10 保険で資産を運用するなんて、できるの?

 皆さんは、保険で資産を運用すると聞くと奇異に感じるかもしれません。日本では、保険というと死亡保険をイメージされる方がほとんどですが、かつては、運用型の貯蓄保険や年金保険も販売されていました。現在は金利が下がってしまい、運用ができないのでそうした保険を販売しても保険会社は収益になりません。そこでこうした保険を「売り止め」て商品棚においていないだけなのです。金利が高い頃には、15~20年間という長期で運用すれば元本が倍になって戻ってくる貯蓄型の年金は販売されていました。

 

 実は、こうした貯蓄型の年金は、まだ販売されている国もあります。香港やタイでは、通貨は米ドル建てやタイバーツ建てになりますが、契約することが可能です。保険会社が、集めた資金の運用の成果として契約者に分配する「積み立て利率」がある程度高ければ、貯蓄型の保険でも一定の運用の成果を得ることが出来、長期間運用すればその果実は大きなものになります。

 

 皆さんは、72の法則をご存知でしょうか? これは資産運用する際に、金利の複利効果により元本を2倍にする場合の投資期間を求めるための法則で、「年利率」×「運用期間」=72、になる組み合わせを見つければよいのです。年利率4.0%で複利運用する金融商品に投資すれば4.0×18=72ですから)、18年間運用すると投資元本は2倍になります。

 

 では、そのような金融商品は何か、と言うことになりますね。そのひとつが保険です。一例ですが香港では、予定積立利回りが4.00%(年利)から4.50%程度と好利回りで運用する保険商品を購入することが可能です。

 

 気をつけていただきたいのは、日本人は、日本に居住していると日本国外の保険会社を引受会社とする保険を購入することが出来ないということです(保険業法186条2項8※)。逆に言えば、日本国外に駐在や居住している間は、この規定が適用されません。なお、この規定は購入時のみを制限するもので、日本に帰国した後、契約が無効になることはありません。海外での保険購入は、日本国外に居住している間のメリットだといえます。

 

※日本に支店等を設けない外国保険業者に対して日本に住所若しくは居所を有する人若しくは日本に所在する財産又は日本国籍を有する船舶若しくは航空機に係る保険契約の申込みをしようとする者は、当該申込みを行う時までに、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣の許可を受けなければならない

長谷川 建一

国際投資ストラテジスト

シティバンクグループ日本及びニューヨーク本店にて資金証券部門の要職を歴任後、シティバンク日本のリテール部門やプライベートバンク部門で活躍。 2004 年末に、東京三菱銀行(現三菱UFJ 銀行)に移籍し、リテール部門でマーケティング責任者、2009 年からは国際部門に移りアジアでのウエルスマネージメント事業戦略を率い2010 年には香港で同事業を立ち上げた。その後、2015 年香港でNippon Wealth Limited, a Restricted Licence Bank を創業。2020 年には、Wells Japan Holdingsに参画し、新たな金融サービスの開発に取り組んでいる。世界の投資商品や投資戦略、アジア事情に精通。わかりやすい解説には定評がある。香港をはじめ、日本やアジア各地での講演も多数。京都大学法学部卒・神戸大学経営学修士(MBA)

寄稿中

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