コラム タイ野菜でべジフルライフ 第196回 キャッサバ(マンサンパラン)

タイ野菜でべジフルライフ

第196回 キャッサバ(マンサンパラン)

キャッサバ
Cassava/ Yuca
มันสำปะหลัง (マンサンパラン)

今年も12月7日に「第4回超芋煮会BANGKOK2025」が開催されます。もともとは東北人による芋煮を食べてもらおうという企画でした。年々、他地域も加わり、大きな食のイベントになりつつあります。芋煮といえば里芋ですが、実は秋田・青森・岩手は里芋はあまり収穫されず、「イモ」といえばジャガイモです。みなさんにとってのイモはなんですか?世界には主要なイモだけでも10種類ほどあり、品種まで含めると数千種に上ると言われています。今回は、タイでとても重要なイモの一つ、キャッサバを紹介します。

キャッサバのトマト煮炒め(2人分)

  • キャッサバ … 300g
  • ニンニク(お好みで) … 数片
  • タマネギ … 中1/2個
  • トマト … 中1個
  • 唐辛子(お好みで) … 適量
  • オリーブオイル … 大さじ2~3
  • 塩 … 適量
  • お好みのハーブやスパイス … 適量
  • ライム … 1/2個
  1. キャッサバを適当な長さに切り、皮を厚めに剥きます。縦に切り込みを入れると剥きやすくなります。さらに縦半分に切って芯の部分を取り除き、水に浸けておきます
  2. 塩少々を加えた湯で柔らかくなるまでキャッサバを茹で、取り出して一口大にカットします
  3. ニンニク、タマネギ、トマト、唐辛子はみじん切りに。フライパンにオリーブオイルとニンニクを入れて加熱し、香りが立ったら残りの野菜を加えて炒めます
  4. トマトがほどよく崩れたら、キャッサバを加え、塩で味を調えます。火を止めたら、ハーブやスパイスを加えて盛り付け、ライムを添えて完成です

キャッサバは味にクセがほとんどなく、どんな味付けにもよく合います。難点は、中心にある芯を取り除く必要があることと、しっかりと加熱しなければならないこと。まず下茹でするのがコツです。ペペロン風やガパオ風、みそ炒めなど、さまざまな味つけで楽しめるうえ、揚げて塩をふるだけでも美味。マッシュすればポテトサラダ風に、丸めて焼いたり揚げたりとアレンジも自在です。世界中で食べられているだけあり、キャッサバのレシピは本当に多彩。ぜひいろいろ検索して、あなただけのお気に入りの一品を見つけてください。

キャッサバ

キャッサバは、南米アマゾン原産の南国のイモです。古くから主食として食べられ、今ではアフリカやアジアにも広まり、特にタイでは広く栽培されています。人気のタピオカドリンクの“もちもち"は、実はタイ産キャッサバ由来です。

キャッサバには、毒抜きが必要な「苦味種」と、加熱するだけで食べられる「甘味種」があり、市場で売られているのは後者。ほんのり甘くクセがなく、ほくほくした優しい味わいで、タイではおやつとして親しまれています。

主成分は炭水化物で脂質は少なく、グルテンフリー。加熱後に冷ますと「レジスタントスターチ」という腸内環境を整える成分が増えるとも言われ、腸活にも◎。カリウムやマグネシウムなどのミネラルも含まれ、むくみやストレス対策にもなります。

市場でしか見かけず、ゴツゴツした見た目で敬遠されがちですが、素朴なおいしさが魅力。機会があれば、ぜひ一度試してみてください。

青澤直子

健幸料理研究家(野菜ソムリエ&雑穀エキスパート)
健幸料理の店 SALADee
491/14-15 Silom PlazaGF, Silom Road

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