コラム タイ野菜でべジフルライフ 第59回 ローズアップル(チョンプー)

タイ野菜でべジフルライフ

第59回 ローズアップル(チョンプー)

レンブ(蓮霧) ローズアップル
ชมพ(ู่ チョンプー)
Rose apple / Wax apple

季節の移り変わりを感じる時期となってきました。日本では、夏が暑いと冬が寒いとよくいいますが、寒いくらいの乾季の後は、どんな暑さが待っているのでしょうか。市場のフルーツの顔ぶれも変わりつつありますが、寒い乾季を越えたフルーツは、どういう影響をうけているのでしょうか?寒暖差があると美味しいもの、寒さにあたると味が落ちるもの、実が小さいものなどありそうです。残念ながらタイフルーツのそうした情報をきちんと入手できていないので、今年は、その辺を頭にいれながらフルーツを食べてみようかと思っています。多くのフルーツの季節はこれからですが、クリスマスからバレンタインにかけてイベントが続き、フルーツを多く使う機会がありました。ケーキのトッピングだけでなく、ゼリー状の冷製ケーキ、チョコレートフォンデューにしたりと、果物が豊富なタイだからこそ気軽にできて安く提供できるのがうれしいです。これからはマンゴーもふんだんに使えますね。最近のお気に入りは、サングリアとも呼ばれるワインカクテルです。なんのことはない、ワインにカットしたフルーツを入れて、お好みでブランデーやウイスキーをプラス、砂糖か蜂蜜、シナモンや黒粒胡椒などを入れて冷蔵庫で一晩寝せるだけです。
今回は、そんな季節を迎えるフルーツの中から、タイでは身近なチョンプーを紹介します。味がボケてて好きじゃないと言う方もおりますが、もっとじっくり魅力を知って欲しいフルーツです。
マレー半島原産フトモモ科の果物で熱帯アジアで広く栽培され、沖縄でも見ることができます。タイ語のチョンプーは、ピンクをあらわすチョンプーと似ていますが、こちらはプーの語尾にアクセントがきます。ルビーのような赤や薄い黄緑、それらが混じったものなど多くの品種があります。ペット(ダイヤ)やタップティム(ルビー)と名のついたものが多いのはタイらしいですね。15年ほど前までは黄緑が主流でしたが、赤が出回り始めた途端にいきなり市場を席巻したという感じで、今では薄緑の方が珍しくなりました。他に食感が桃っぽいマミアオという品種やプラスティックと呼ばれる小型のものもあります。 ベル型の下の部分に窪みがありますが、この窪みが大きい方が甘みがあると言われています。形がいびつですが、リンゴと同じように縦に切って、種の部分をとって食べるといいです。ほどよい酸味があり、水分がたっぷりで、喉が乾いている時や食後の口直しに食べたくなります。あっさりした味なので、サラダに合わせてもいいでしょう。ブリやカマンベールのチーズと合わせるととても美味しく、ナッツ類やドライフルーツと合わせておしゃれな前菜やおつまみになりますのでお試しください。ビタミンCやカルシウム、食物繊維が豊富ですので、多くのフルーツと同じく、美と健康のためにもたっぷり食べていただきたいです。

青澤直子

健幸料理研究家(野菜ソムリエ&雑穀エキスパート)
健幸料理の店 SALADee
491/14-15 Silom PlazaGF, Silom Road

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