コラム タイ野菜でべジフルライフ 第61回 タイバジル(ホーラパー)

タイ野菜でべジフルライフ

第61回 タイバジル(ホーラパー)

タイバジル メボウキ(目箒)
Thai basil
โหระพา(ホーラパー)

みなさま、ソンクラーンは楽しまれましたか?お天気に恵まれた楽しいソンクラーンであることを祈りながらこの原稿を書いています。タイにいるなら、一度は、派手に水かけ祭りに参加したいものです(個人的には一度で十分)。盛夏のギンギラ太陽の中での水かけは、本当にタイらしい明るく楽しいお祭りですね。ただ、年によっては、暑季特有の嵐が来て雨のソンクラーンもよくあるのです。暑い時期にはガッツリ暑くあって欲しいですが、今年は、水不足で農産物の不作が心配されているので、ソンクラーンを避けつつ、嵐が来るなり、雨季が早まるなりしないかなあと、勝手なことを願ってしまいます。水不足は、単に天候のせいだけではなく、政策の問題もあります。懸案のタイの政争がこの先どうなるのかわかりませんが、単純にお金をばらまくのではなく、現場で汗水流す農家が少しでも報われ、未来を夢見てがんばれるような農政をと願っています。ナンテ、偉そうなことを言って、食材を消費するしかできていない私。これからは、野菜ソムリエとして生産者と生活者をつなぐ活動をもっとしていきたいと思っています。まずは農の現場を積極的に訪ねていきます。第1弾で6月にチェンマイのドーイ・アンカーンに出かけます。チェンマイから片道3時間の長旅ですが、興味のある方はぜひご一緒に。さて今月は、夏バテなど、体調がイマイチパッとしないという方にもおすすめの身近なハーブ、タイバジルを紹介します。健幸料理倶楽部でも「バジル3兄弟」は好評です!
熱帯アジア原産のシソ科の植物です。タイには主に3種類のバジルがありますが、これが一般的なバジルのイメージに近いのではないでしょうか。スイートバジルとも呼ばれますが、変異種で少しエスニックな香りがしますので、タイバジルという呼び方がふさわしいでしょう。他のバジルに比べると葉がかためですが、生でも食べられ、爽やかな風味が口にひろがります。タイでは、ラープやヤムに生で入れたり、スープや炒め物に利用、グリーンカレーにも入っています。シーフードとも相性がよく、ムール貝などと炒めたり蒸したりするとちょっとリッチな料理になります。風味は少々違いますが、イタリアンサラダのカプレーゼやジェノベーゼにも利用できます。
バジルは、花が咲く直前の風味が最もよく、育ち過ぎると葉がかたくなります。葉に水がつくと傷みやすいので、使う直前に洗うといいでしょう。熱帯生まれですので、冷やし過ぎは低温障害を起こして黒くなります。室温にもよりますがコップに水を入れて活けるといいでしょう。水をふきとってクッキングペーパーで根元を包み、さらに新聞紙に包んで保存するといいでしょう。ビニール袋に入れて空気を抜いて密封すれば冷凍できますが、使う際には解凍せずにそのままソースや煮物に使ってください。他に塩やオイル、バターに混ぜたり、乾燥させたりすると長く保存できます。
非常に多くの効能があり、頭痛、喉の痛み、腹痛、胃痛、口内炎、風邪の諸症状、アレルギーの改善、鎮静作用、虫よけ効果、抗菌作用などがあります。タイでは安く入手できますから、日頃からたっぷり使いたいですね。

青澤直子

健幸料理研究家(野菜ソムリエ&雑穀エキスパート)
健幸料理の店 SALADee
491/14-15 Silom PlazaGF, Silom Road

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