コラム タイ野菜でべジフルライフ 第33回 オクラ (グラジアップ)

タイ野菜でべジフルライフ

第33回 オクラ (グラジアップ)

オクラ
Okra/Ladies Finger
กระเจียบเขียว(グラジアップ)

洪水で避難した方も、家に残って過ごした方も、すっかり生活のペースが崩れてしまったのではないでしょうか。このまま慌ただしく年末年始を迎えそうですが、すでにストレスにさらされ、洪水後の感染症の心配もあり、乾季で気温の変化も激しくなっていますので、体調管理には十分にお気を付け下さい。――なんてよく言われるでしょうが、真剣に取り組もうとする人は少ないかもしれません。でも私は心の底から願っております。こうした危機の時こそ自分と向き合うチャンスなのです。この機会に病気にならない強くたくましい体をめざしてください。

では、病気にならないためにはどうしたらいいのでしょうか?同じ環境にいても病気になる人とならない人がいますね。風邪をひくのは当たり前だと思っている人も多いようです。体質と言う言葉で簡単に片付けないでください。それは免疫力の差が大きな要因なのです。免疫力アップには、毎日の食事、特に抗酸化食品と食物繊維をしっかりとって腸内環境を整えることが大事です。「○○がいい」と特定の食材をとるよりも、野菜・果物・雑穀などをたっぷり取り入れたバランスのよい食事を心がけるのがベストです。まずは野菜・果物を楽しむこと!……と、いつもと同じ話になってしまうんですけどね。

 

さて、先月は、グラジアップ・デーン(ローゼル)を紹介 しましたので、今月は、同じアオイ科のグラジアップ・キアオを紹介します。キアオは省略されることが多いですが、オクラのことです。空に向かって実をのばしていくオクラの姿は、見るだけでパワーがもらえそうです。

 

アフリカ原産で現地の言葉から英語のOKRAになりました。タイは、ゴツくてワイルドなものが多かったので すが、日本への輸出が増えるにつれて、柔らかい小さなものも出回るようになりました。スーパーで気軽に買えますが、タイ料理では、ゲーンやナムプリックがほとんどです。葉や茎、花も食べられます。西洋人もよく食べますが、ネバネバがダメだそうで、スープや煮物が多いようです。このネバネバは、ムチンによるものです。カルシウムや葉酸、ビタミンCなど栄養バランスのいい野菜といえます。

 

ガクが黒くなっているのは古い証拠です。保存は、冷やし過ぎはよくないのでご注意。生でも軽く茹でても冷凍保存できます。料理の時は、ガクの部分を切り落とすのではなく、鉛筆を削るようにクルリと固い部分を削ぐといいです。さらに塩で揉むとうぶ毛がきれいに取り除けて、きれいに茹であがります。

 

茹で時間は、好みによりますが、2分くらいが歯ごたえも粘りもほどよく、栄養も逃げずおいしいと言われます。煮物、天ぷら、酢のもの、サラダなどが一般的でしょうか。漬けものにもできます。私は、入手しづらいヤマイモの代わりによくトロロにします。種ごと使いますが、種をとるとさらに柔らかな舌触りになり、ソースとしても活用できます。世界中で食べられている野菜ですので、いろんな国の料理を調べて挑戦してみるのもオモシロイですね。

 

 

本記事は、WOM本誌掲載当時の各種情報に基づくものです。現在までに学術情報等を含め、改訂・変更等になっている場合がございます。栄養成分等の科学・学術情報については、最新の情報をご確認ください。

青澤直子

健幸料理研究家(野菜ソムリエ&雑穀エキスパート)
健幸料理の店 SALADee
491/14-15 Silom PlazaGF, Silom Road

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