コラム タイ野菜でべジフルライフ 第3回 パパイヤ(マラコー)

タイ野菜でべジフルライフ

第3回 パパイヤ(マラコー)

パパイヤ(木瓜/乳瓜)
Papaya
มะละกอ (マラコー)

日本人には果物としておなじみのパパイヤですが、タイでは野菜としてよく食されています。そう言うと、ほとんどの方はソムタムを思い浮かべるのではないでしょうか?初めてソムタムを食べた時の感動は今でもよく覚えています。日本からのお客様には、ソムタムを食べてもらって「これな~んだ?」という質問をお決まりのようにして、大根という答えを待っています。未熟な青いパパイヤだと知ると、みなさん期待通りの反応をしてくれますね(笑)。ソムタムは大好物料理ですが、ある時「青いパパイヤの炒めものがおいしい」という話を聞き、目からウロコ。野菜として生で食べられて、クセもなく歯ごたえがあるのだから、炒めてもおいしいに違いない!どうして試さずにいたのでしょう…。思いこみというのか頭がカタイというのか…。でも、ソムタムという完璧な料理を前に他の料理で食べてみようと思わなかったとしても仕方ないですよね。調べてみたら沖縄でも野菜としてよく利用されていることがわかりました。それまでは大きな青パパイヤを1本買うと持て余していましたが、サラダや炒め物、漬けものなどでいろいろ楽しめるようになりました。特にピリ辛キンピラがお気に入りです。

 

健幸料理研究所で青パパイヤをテーマにした料理を作ってもらいましたら、驚くようなお料理が出てきました。見た目がまるで肉ジャガなのです。ジャガイモに見えたそれがパパイヤだったのです。食べてビックリ、ホクッとして食べた感じもジャガイモのようでもあり、ほんのりとフルーツらしいさわやかさと上品さも感じるのです。青パパイヤは煮てもおいしかったんですね~それからはよく青パパイヤの煮物を作ってお客様に出し、「これな~んだ?」と質問。ジャガイモという答えを待っています。青パパイヤだと知ると、みなさん期待通りの反応をしてくれます(笑)

 

メキシコ原産で、スペインの探検隊によって世界に伝えられ、熱帯、亜熱帯の多くの地域で栽培されています。未熟のパパイヤは、切ると乳汁と呼ばれる白い液が出ますが、刺激が強いので、肌の弱い人は気をつけてください(これが洗顔料にもなるのですが)。乳汁が出たら、水にさらすといいでしょう。この乳汁はパパインというたんぱく質分解酵素で、パパイヤを解毒野菜の王様といわしめるほどの働きをしています。タイ人は、ダイエットの時によくソムタムを食べるといいますが、実際に脂肪の蓄積を抑える働きがあるそうです。さらに悪玉コレステロールを分解、中性脂肪や肝脂肪を燃焼させ、高脂血症、脂肪肝、動脈硬化、糖尿病などに有効といわれています。この酵素は熟すほどに減り、完熟パパイヤには入っていませんので、青パパイヤを積極的に活用しましょう。他にもビタミンCやカルシウム、カリウム、葉酸などなど、美容と健康のための野菜という感じです。カレーやスープ、煮物、炒め物など、ジャガイモや瓜料理のかわりとして、驚くほど使い勝手のいい野菜ですので、いろいろ楽しんでみてください。

青澤直子

健幸料理研究家(野菜ソムリエ&雑穀エキスパート)
健幸料理の店 SALADee
491/14-15 Silom PlazaGF, Silom Road

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