コラム タイ野菜でべジフルライフ 第73回 ジャックフルーツ
第73回 ジャックフルーツ
ジャックフルーツ/パラミツ(波羅蜜)
Jack fruits
ขนนุ(カヌン)
今年3度目のお正月が過ぎましたが、ソンクラーンはどのように過ごされましたか?5月1日にメーデー、5日が国王即位記念日でまた連休があり、なんだかずっと正月ボケのまま過ごしてしまいそうです。1年でもっとも暑い時期だから無理せず過ごすのもいいのかなあと思ってみたり。でも先立つものがなくなっては困りますので、気を引き締めてSALADeeのメニューを充実させました。また、健幸料理倶楽部も新たな講座「雑穀(3)」を追加しました。チアシードやフラックスシード、オーツ麦など時々耳にするような気になるスーパーフードたちを紹介します。
さらに、今年は思い切って「ラヨーン果樹園ツアー」を実施します。雨季に入りかけの5~6月は、フルーツ狩りにおすすめの季節です。毎年、野菜ソムリエとしてソワソワ、ムズムズしていたのです。せっかくの美味しい時期、一緒に果物を存分に楽しみましょう!美味しく味わうだけでなく、やはり解説があるとうれしいと思いません?詳細は、本誌「習い事」とWOMNewsに掲載しますので、ぜひチェックしてみてください。
さて、今月は、知られているようで意外に知られていないジャックフルーツを解説します。ドリアンほどキョーレツではありませんが、好き嫌いが少しわかれてしまう独特の風味があります。私は、一時ハマって食べた時がありました。ドライになった商品もあり、これまたクセになる香りと食感です。日本では、なかなか食べる機会がないフルーツですので、お土産におすすめです。
熱帯アジア原産のクワ科の植物で、木の幹から直接花が咲いて実になるユニークな果物です。表面に凸凹がある楕円形で、大きくなると重さ50キロにもなり、世界最大の果実と言われています。実はラテックス(粘質性の樹液)でベトベトになので、軍手をはめて油で包丁を拭きながらカットします。量も半端ではないので屋台やスーパーのカット売りを買うのが得策でしょう。屋台では、種を一緒に売っていることがあります。茹でると栗のような芋のようなホクホクした感じで、炒ってもいいし、栗ごはんのようにもなります。種は皮を剥いて食べる必要があるので、ちょっとだけ手間がかかります。
未熟な白い果実は、野菜として食べられます。摘果のためでもあるのでしょうが、市場でもよくみかけます。カレーや煮物、生または茹でて、あるいはローストしてナムプリックで食べます。あまりみかけませんが、茹でたものが缶詰で販売されているそうです。未熟でもラテックスがあるので、缶詰は手軽でいいですね。
熟した果実は、黄色だけでなくピンクの品種もあります。得も言われぬ甘味で、蜜のようななんだか胸がキュンとするような風味があります。この風味がご飯に合うのではないかと、酢飯を詰めてみたらピッタリ、カヌン寿司の誕生です!この発想に自画自賛していたら、すでにタイではピンクや緑、青に着色した甘いもち米を詰めた「カオニアオカヌン」というお菓子があるそうでちょっとガックリ。他にもサラダやデザートに利用できます。いかにも南国らしいジャックフルーツ、ぜひ堪能してください!
青澤直子
健幸料理研究家(野菜ソムリエ&雑穀エキスパート)
健幸料理の店 SALADee
491/14-15 Silom PlazaGF, Silom Road