コラム タイ野菜でべジフルライフ 第18回 スターフルーツ

タイ野菜でべジフルライフ

第18回 スターフルーツ



スターフルーツ/五斂子(ゴレンシ)
Star fruits/Carambola
มะเฟือง(マフアン)

いきなりですが、宣伝させていただきます!長い間、多くのリクエストをいただいておりましたタイの野菜に関する本「南国(タイ)の野菜たち」を8月に出版しました。野菜の解説の他にレシピも掲載していますので、タイの野菜になかなか手が出ないという方のお役に立てるのではないかと思います。これでタラートも怖くない!?みなさんの食卓がますます野菜で充実したものになるとうれしいです。書店でお求めいただけますので、お手にとられたら、ぜひ、ご意見や感想をお寄せ下さい。

 




8月は一時帰国された方も多いと思いますが、日本の旬の野菜や果物を堪能されましたでしょうか?私も1週間ほど帰省してきましたが、帰国前に小2の姪におみやげのリクエストを聞いたら「スターフルーツ!」と言われてしまいました。アニメのケロロ軍曹の大好物だそうで、これには困りました。どんなにかわいい姪っ子の頼みでも生ものは無理で、ドライフルーツを探しましたがみつけられませんでした。それにしても、お土産にしたいフルーツはいっぱいありますね。ただ、手荷物で持ち込める果物で、空港の検疫を受けてOKなのは、ドリアン、タマリンド、パイナップル、ココヤシだけなのです(野菜は、パクチーやバジル、レモングラスなど他にもあります)。その他の果物は、持ち込むこと自体が禁止されています。詳しく知りたい方は、植物検疫所のサイトをご覧ください。 



 

さて、スターフルーツ、いかにもタイらしい果物ですが、食べたことがないという方が結構いらっしゃるようです。たしかにスーパーで見かける機会は少ないですね。タラートに売っていますが、台湾種、マレーシア種などいろんな種類があり、熟し加減によっても味が違いますので、一度、酸っぱいのにあたったり、味がパッとしなかったとしてもくじけず(?)、せっかくの南国のフルーツですからもっと楽しんでください!

 

 
マレー半島やインドなど原産には諸説ありますが、紀元前には中国でも食べられていたことが書物に残されています。糖分が低くカリウムや食物繊維が豊富ですからデトックスにピッタリ、血圧が気にな る方におすすめです。ただし特に酸味種にシュウ酸が含まれていますので、腎臓が悪い方は控えてください。選び方のポイントは、皮にシワがなくツヤツヤしてハリがあるもの、重みのあるものがいいでしょう。緑色の未熟なものは、常温で保存すると黄色く熟しますので、お好みで食べるタイミングを選んでください。

 



皮ごと食べられますが、尖っている部分に若干、苦みがありますので、気になるなら面取りするように削るといいでしょう。名前の通り、切った断面がかわいらしい星型ですから、この形を活かしてカナッペにして楽しむことをおすすめします。マッシュポテトやツナマヨ豆腐、ハムなどをのせておつまみ風にしたり、ジャムやアイスでデザート風に、チーズをのせて加熱してもおいしいです。他にも砂糖や塩で味を調整してジュースにしたり(オレンジなどと合わせてもおいしい)、ピクルスやコンポートにしてもよく、ペクチンを多く含んでいるので、ジャムやゼリーなどにも向いています。そのまま食べるなら、縦に切るとまた違った味わいになりますので、試してみてください。その他、サラダや煮物など、味が淡白な分だけ野菜のように使えます。

青澤直子

健幸料理研究家(野菜ソムリエ&雑穀エキスパート)
健幸料理の店 SALADee
491/14-15 Silom PlazaGF, Silom Road

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