タイ野菜でべジフルライフ

第71回 タマリンド

タマリンド/チョウセンモダマ
Tamarind
มะขาม(マカーム)

ガセサートフェアという大学の農業祭をご存じですか?ここ数年、洪水やらデモやらで開催時期がずれることもありましたが、今年は、2月3~7日にありました。開催前にご案内できればよかったのですが、前回が3月だったのでついうっかりしていました。遠いので、毎年行こうかどうか悩むのですが、行くと大満足で興奮して帰って来ます。今年は、1日では足りず、買いたいものが半分しか買えなかったので、最終日にもう1度行ってしまいました。最終日の人の多さといったら、日本の花火大会や縁日を歩いているようなもので、買いたいものがあってもめざすところになかなかたどりつけないという混雑ぶりでした。目玉は新品種を中心とした野菜や果物、花の苗で、大きな台車を持って買いに来ている人もたくさんいます。見ていると広い庭や畑が心底欲しくなってきます。その他、本格的な農機具や動物コーナーがあったり、タイ各地の名物の食品や食べ物屋台もズラーッと並びますので1日いても退屈しません。

 

食材の目玉は、タマリンドとニンニクで、タイ中から集まっているようです。特にタマリンドは、これほどまでにタイ人に愛されていたのかと驚くほどの量と品揃えで圧倒されます。実際、ボーゼンと眺めて、何をどう買っていいかわからずにすごすごと帰ってきてしまいました。いろいろ買って食べ比べすればよかったとちょっと後悔しています。その後、偶然にも知り合いからもらって食べる機会がありました。そんなこともあったので、今回は、日本人にはちょっとなじみの薄いタマリンドについて解説してみたいと思います。

 

熱帯アフリカ原産のマメ科の植物で、見上げるほど大きな木になり、タイではあちこちで見ることができます。奇妙な形で最初ギョッとしましたが、タイ人女性が殻をバリバリ割ってムシャムシャと食べている姿にも驚きました。甘味種は、殻から出して筋と種をとって食べます。干し柿のようなプルーンのような風味で飽きることがありません。酸味種は、料理の酸味漬けに利用されています。マカームピヤックという莢からとって丸めたものを水に溶かして使いますが、ペーストの商品もあります。パッタイやゲーン(カレーやスープ)、ヤムなどタイ料理を食べたらきっと口にしているでしょう。スーパーやコンビニでもキャンディや砂糖漬けのお菓子、飲料の他、石鹸やシャンプーなどの化粧品に至るまでいろんな製品を目にし、いかにタイ人にとって身近なものかがわかります。

 

タイ料理だけでなく、酢や梅干しの代わりに味噌と混ぜて野菜やキノコを和えたり、オイルと合わせてドレッシングにしたり、スープや炒めものに使えます。カレーに入れるとちょっと本格的な感じになります。

 

タイ人女性が好んで食べるのは、その効用が大きいでしょう。豊富なミネラルが美肌をつくり、抗酸化作用が老化を防止します。果肉でこすると肌がきれいになるなど、内から外から美しくなれるのです。さらに、脂肪がたまるのを防ぐのでダイエット効果や整腸・便秘解消効果があり、メタボが気になる男性にもぜひ食べて欲しいところです。 常温でも3ヶ月くらいは保存ができます。日本の植物検疫で持ち帰りがOKな数少ない食材ですので、お土産にいかがでしょうか?

青澤直子

健幸料理研究家(野菜ソムリエ&雑穀エキスパート)
健幸料理の店 SALADee
491/14-15 Silom PlazaGF, Silom Road

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