コラム お金の知識を高めるコラム Vol.54 米国の金融引き締めが新興国市場の重圧に

お金の知識を高めるコラム

Vol.54 米国の金融引き締めが新興国市場の重圧に

米国の中央銀行であるFRBは、昨年12月のFOMC(公開市場委員会)で、上昇し続けるインフレ率を抑制するために、金融政策を引き締める姿勢に転換しました。インフレ率はFRBの目標である2.0%を大きく超えて、前年比年4%台の上昇を示しています。早ければ今年3月にも政策金利引き上げが実施される可能性が出てきています。総需要があまり伸びない中、コストが上昇して物価が上がる現象は、金利の引き上げだけでは抑制が効きません。しかし、これだけ物価が上がれば、金融緩和をしたまま放置もできないのです。米ドル金利は明らかに上昇に転じています。

 

米国の利上げは新興国市場にも大きな影響を与えます。そして新興国の経常収支が赤字である国では資本流出が起こり、通貨安に繋がる可能性が大きくなります。通貨安は輸入物価の上昇を通じてインフレにつながるので、経済危機が発生する可能性も高まります。

 

1997年にはアジア通貨危機が起こりました。2013年と2018年には、アルゼンチンや南アフリカ共和国、トルコなどで資本流出が起こりました。2022年は、この3カ国に、経済状態が芳しくないブラジルとエジプトを含めた「BEAST」5カ国でリスクが高いとみられています。

 

年末年始にオミクロン変異株の感染拡大が加速したことにより、アジアをはじめ新興国の経済回復はさらに後ろ倒しされることが予想されます。世界銀行が発表した最新の予測では、2022年の成長率は世界全体で4.1%と、前回予想4.3%から下方修正されました。米国は5.6%成長が見込まれています。米国も経済成長では難しい舵取りが迫られますが、それでも新興国全体の4.6%よりは高い成長率で、格差が拡大するトレンドは続きます。

 

中国は5.1%成長と、2021年の成長率に比べると、相当にスピードが緩やかになります。不動産市場の停滞感が広がっており、今年前半はもたつくとの見通しが強まっています。

 

タイは、経済的には相対的な安定が見込まれますが、ドル金利上昇局面では、通貨バーツが売られることには注意しておいたほうが良いでしょう。

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長谷川 建一

国際投資ストラテジスト

シティバンクグループ日本及びニューヨーク本店にて資金証券部門の要職を歴任後、シティバンク日本のリテール部門やプライベートバンク部門で活躍。 2004 年末に、東京三菱銀行(現三菱UFJ 銀行)に移籍し、リテール部門でマーケティング責任者、2009 年からは国際部門に移りアジアでのウエルスマネージメント事業戦略を率い2010 年には香港で同事業を立ち上げた。その後、2015 年香港でNippon Wealth Limited, a Restricted Licence Bank を創業。2020 年には、Wells Japan Holdingsに参画し、新たな金融サービスの開発に取り組んでいる。世界の投資商品や投資戦略、アジア事情に精通。わかりやすい解説には定評がある。香港をはじめ、日本やアジア各地での講演も多数。京都大学法学部卒・神戸大学経営学修士(MBA)

著書
ブログ: HASEKEN
寄稿中

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