コラム お金の知識を高めるコラム Vol.12 分散投資の意味と手法

お金の知識を高めるコラム

Vol.12 分散投資の意味と手法

 投資というと、リスクをすぐにイメージされる方が多いと思います。そういう方は、「エイや!」と勢いで投資してしまう人よりも、実は投資に向いています。投資には必ずリスクがついてきます。大切なことは、この「リスク」とどう付き合っていくか、どう最小限にするか、すなわち「リスクマネージメント」だからです。

 

 その昔、アラブの砂漠を旅する人たちは、食料として重要な「卵」を運ぶ時には必ず、複数のかごに分けて、別々のラクダに積んで運んだそうです。「ひとつのかごに全ての卵を盛るな」というのは、投資でも重要な格言として知られています。投資には、いろいろな投資対象があります。一つに集中させてしまうと、値上がりすれば利益が得られますが、値下がりすれば損失をこうむります。最悪の場合、ゼロになることもあります。全ての卵を一匹のラクダに積んで、それがコケてしまったら卵は全滅。旅人も食料が無ければ、それ以上旅を続けることは出来ません。投資でも投資対象をいろいろな種類に分けて投資をするということが重要なのです。リスクをマネージするのです。この方法が『資産分散投資』です。投資する資金を複数の投資対象(相場や価格の動きの異なる種類の商品や銘柄)に分散させることでリスクを軽減させるのです。もうひとつは、タイミングを分けて投資することでリスクを軽減させるという方法です。投資対象となる相場ものは、価格変動します。いつが高値か安値かを当てることは、プロでも難しいことです。もし、投資する全額を一度に投資して、それが安値だったら嬉しいのですが、高値だったら運用はずっと苦しいものになります。そこで、購入するタイミングを分けるのです。そうすれば買い付け価格が平均化され、大きく損を出さなくて済みます。これは『時間分散』手法と言われます。時間の分散は他にも、一度の投資金額の大きさを小さく出来るというメリットや、投資をする期間が長くなるので、自然と長期投資のスタンスが身につき、世界経済や世界情勢、政治などに興味が湧くようになり、結果的に知識が増えて、投資上手になるというメリットもあります。

 

 分散投資は、リスクマネージメントの重要な手法であり、投資で成功する最も重要な鍵なのです。

長谷川 建一

国際投資ストラテジスト

シティバンクグループ日本及びニューヨーク本店にて資金証券部門の要職を歴任後、シティバンク日本のリテール部門やプライベートバンク部門で活躍。 2004 年末に、東京三菱銀行(現三菱UFJ 銀行)に移籍し、リテール部門でマーケティング責任者、2009 年からは国際部門に移りアジアでのウエルスマネージメント事業戦略を率い2010 年には香港で同事業を立ち上げた。その後、2015 年香港でNippon Wealth Limited, a Restricted Licence Bank を創業。2020 年には、Wells Japan Holdingsに参画し、新たな金融サービスの開発に取り組んでいる。世界の投資商品や投資戦略、アジア事情に精通。わかりやすい解説には定評がある。香港をはじめ、日本やアジア各地での講演も多数。京都大学法学部卒・神戸大学経営学修士(MBA)

寄稿中

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