特集記事 アンコールワットを巡る旅[前編]

アンコールワットを巡る旅[前編]

ユネスコ世界遺産に指定されているアンコール遺跡は、バンコクから約400㎞の距離にあるカンボジアの街、シェムリアップに遺されています。

今から1100年以上の昔、東南アジアに実在した大王朝、クメール帝国。現在のタイも、当時はほとんどの土地がその支配下にありました。

歴史を紐解きながら、街歩きの旅、お楽しみに。

 

取材協力 旅わ~るど

アンコールワットを巡る旅、朝のご来光からスタート

早朝5時に集合し、アンコールワットに向かうのがアンコール遺跡観光の定番。この時間が1日のうちで最も人が多いと言っても過言でないぐらい、参道は人でいっぱい。アンコールワットの中央祠堂(真ん中の高い塔)の真上に昇る日の出を参拝しようと場所を取る人、池に反射するアンコールワットと太陽を写真に収めようと陣取る人、座り込んで瞑想する人、線香を立てる人、様々な人がいますが、取材時(2023年3月)、そのほとんどが欧米人でした。かなり歩くので、歩きやすい靴で行きましょう。朝はまだ涼しいので快適。

アンコールワットのこと

カンボジア、シェムリアップに点在するアンコール遺跡群のひとつ。東南アジアの巨大帝国、クメール王朝時代(9世紀~)に、その栄華と繁栄を象徴すべく、スーリヤヴァルマン2世(1113年~1145年)が建立しました

参道の両側にある経堂(ライブラリー)の遺跡で日の出を待つ人々。写真ではわかりづらいですが、びっしり人で埋まっています

アンコールパスについて

ユネスコ世界遺産に指定されているアンコール遺跡群。アンコールワット、アンコール・トム、タ・プロームなど周辺には20以上の遺跡がありますが、入場するにはアンコールパスというチケットが必要になり、1日券($37)、3日券($62)、7日券($72)があります。アンコールワット、アンコールトムのように大きな遺跡はゆっくり観るとそれぞれ2時間は必要。郊外にある遺跡も観たい場合、1日では回り切れないので、3日券がおすすめです。有名どころだけ抑えて、あとは街ぶらしたり、ちょっと良いホテルで過ごしたり、という方は1日券でOK。また、シェムリアップツアーは、アンコール遺跡公式ガイドと共に回るのが一般的。見どころを教えてくれ、危険な場所や歩きにくい場所も把握しているので、とても助かります

アンコールパスチケットセンター

菩薩様の微笑みを世界へ! アンコールトムを巡る

12世紀後半、ジャヤーヴァルマン7世によって現在のデザインになった城郭都市の遺跡。ヒンズー教と仏教の要素がみられる建築の中でも、中央にあるバイヨン寺院の巨大な四面菩薩の仏塔が有名。一生に一度は訪れたい、世界遺産の大規模遺跡です。

約3km四方にかこまれた敷地の中心にあるバイヨン寺院。外側の第一回廊には連続した壁画(浮彫)があり、階段を上がると屋内の第二回廊に繋がります。建物は、重い大きな石を積み重ねて造られていますが、天井のアーチ型を造るのは非常に難しかっただろうと想像できます

1. 左右で阿修羅と神々が大蛇の胴を引っ張り合う橋の欄干。ヒンズー教の天地創造のモチーフ

2, 神側の欄干

3, 門の上にも微笑む菩薩様が

東西南北に門がありますが、南大門の保存状態が最も良いです

クメールスマイル

微笑む菩薩様が四面に掘られた仏塔が49基もあるバイヨン寺院。この微笑みはクメールスマイルとも呼ばれています

バイヨン寺院の回廊に掘られたレリーフを読み解く!

アンコールワットやアンコールトムで見逃せないのが、壁のレリーフ。特にバイヨン寺院の第一回廊には、可愛いキャラがたくさん出てきます。ガイドさんの解説を聞きながら見ると、1000年の時を超え、クメール時代の人々の生活や世界観を垣間見ることが出来ます。

1. 庶民の日常は一番下の段に描かれています。その一段上には、クメール王朝の伝統的な手漕ぎボートで戦争に挑む王族の姿が

2, 狩りをする人の後ろからトラが狙っている風刺画。他にも、ボートから落ちてワニに食われる人の姿なども見られ、動物による脅威が大きかった事が伺えます

3. 踊る神々の姿

バイヨン寺院から、象のテラスとライ王のテラスへ

アンコールトムの見どころのひとつ。壁に象が描かれた「象のテラス」から、高さ6メートルの「ライ王」のテラスまで、およそ300メートルほど歩いて見学します。日陰がないので、帽子や日傘を忘れずに。テラスと呼ばれるだけあって高台になっており、王族が凱旋行進する軍隊を眺めた場所だと言われています。ライ王のテラスの壁には阿修羅や、ナーガ、ガルーダなどがハッキリと掘られており、貴重な歴史文化財となっています。

三島由紀夫最後の戯曲「ライ王のテラス」の舞台にもなったこちらの遺跡。ライ王のテラス最上部にはライ王と思われる彫像が有りますが、こちらはレプリカで、本物はプノンペン国立博物館に収蔵されています。なぜ「ライ王」と呼ばれるのか?諸説ありますが、元々はヒンズー教の死の神「ヤマ」の彫刻であり、それが苔むしていくにつれ、ライ病(ハンセン病)に倒れた王族を連想させ、現地の人々がライ王と呼ぶようになったという一説も

シェムリアップで、お洒落ショップ巡り(前編)

今回は、シェムリアップの街の中にある小さなモール「Aviary Square」にある2軒のお洒落なショップをご紹介します。

 

Sirivan Concept Store @ Aviary Square

Siem Reap Aviary Square
#9 Tep Vong Street, 171202, Siem Reap
TEL: +855-17-731-107
営業時間: 10:00~19:00

1軒目はシリヴァンコンセプトストアというセレクトショップ。メンズとレディースのアパレル製品を扱っており、カンボジアブランドを中心に集めているそう。涼しげな素材の半そでシャツや、お洒落なオールインワン,シェムリアップらしいチェックのスカーフなど、掘り出し物が見つかりそう。2階はセールコーナーになっていました。実は近所(Kandal Village)に本店があって、そちらの方が品揃えが良いそうなので、時間がある方はぜひ立ち寄ってみて。

Smateria

Siem Reap Aviary Square
#9 Tep Vong Street, 171202, Siem Reap
TEL: +855-63-964-343
営業時間: 10:00~18:00

「持続可能なブランド」をコンセプトに、リサイクル素材をアップリサイクルさせたブランド。中でもプラスチックをリサイクルしたIKIコレクションが有名。丈夫で使いやすく、色あいも絶妙でリピ買いする人が続出。また、軽くてかわいいネット素材のバッグやポーチ、眼鏡ケースなどもおすすめ。自分用、お土産に、つい長居してしまうショップです。空港に支店がありますが、在庫は圧倒的にこちらのショップの方が多いそう。商品はWEBサイト SMATERIA をご参照ください。

シェムリアップの素敵ホテル 1

SOKHA Angkor Resort

National Road N6 & Sivatha Street Junction Siem Reap
TEL: +855-63-969-999

シェムリアップには。アンコールワットより高い建物を建ててはダメ、というルールがあって、ホテルも低層階の造りになっています

世界遺産の街には魅力的なホテルが沢山あります。インターナショナルブランドも良いけれど、今回は老舗のローカルブランド「ソカ・アンコール」をご紹介します。プールを囲むように建てられたゲストルームは十分な広さがあり、全室バスタブが付いています。リゾートホテル感があり、ロビーもゴージャス。近所にレストランやカフェが入るモールやスーパーマーケットもあって便利。中心地からは少し離れますが、系列ホテル「Sokha Siem Reap Resort & Convention Center」もおすすめ。

アンコールワットの日の出を見たら、ホテルに戻って朝食。ビュッフェ形式となっています。フランス領だったこともあり、ベトナムのバインミーのようなサンドイッチのコーナーがありました

伝統舞踊、アプサラショーを観よう

Amazom Angkor Restaurant

Phum Kruos, Khum Svay Dangkum,
just off National Road N6, Krong Siem Reap
TEL: +855-12-966-988
営業時間: 9:00~21:00

アンコールワットを巡る旅に欠かせないのが、伝統舞踊鑑賞。タイともバリ島とも似て非なる、ご当地クメールのダンスショーです。アプサラとはラーマヤナ物語に登場する女神の名前。遺跡の壁画にも踊る女神の姿が度々登場します。室内席最大200名収容、舞踊団と楽団のレベルが高く、ビュッフェが美味しいアマゾンアンコールレストラン。コロナ禍以降、欧米人の観光客が戻ってきたこともあり、とても賑わっていました。

1. 3種類の宮廷舞踊と2種類の民族舞踊が1時間に渡り披露されます

2. ショーが終わったらダンサーと写真撮影タイム!

3. とにかく広くて綺麗な店内

4. ショーが始まる前にビュッフェを堪能。品数豊富で迷ってしまいます。屋外にグリルコーナーがあり、そちらでは主にカンボジア料理をサーブしています

レストラン外観

地図:アンコールワット周辺・市街地

by WOM 編集部

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