お金の知識を高めるコラム

Vol.50 テーパリング

最近、金融ニュースを見ていると、テーパリングという言葉をよく見かけませんか?もともと、テーパリング(Tapering)とは先が細くなる様を表しますが、金融用語としては、量的緩和策である債券購入による資金供給を次第に絞っていくという意味で使われます。
 米国の連邦準備制度理事会(FRB)は、リーマンショックなどの経済打撃が起こった後、大規模に金融緩和を実施し、金利をゼロに低下させた他、市場から債券を購入して資金を大量に供給する量的緩和を行いました。経済の底割れを防ぐ為です。しかし、景気が回復に向かうと、今度は逆に市場から買入れる債券の購入額を徐々に減らしていきました。この購入額縮小の過程、つまり債券購入の先細りをテーパリングと呼んだのです。
 昨年、新型コロナウイルスの感染拡大の影響から、米国経済は打撃を受け、米FRBは積極的に債券を購入して資金供給をしています。しかし、米国雇用市場が緩やかに回復し、物価の上昇も統計に表れるようになり、FRBの目標である2.0%を超えました。一部のFRB高官は、テーパリングを始めるべき、すなわち債券購入を減らし始めるべきと主張しています。9月にも、少なくとも今年中にはテーパリングが始まるとの見方が強まっています。
 しかしFRBには、実は苦い経験があります。2013年5月にバーナンキFRB議長(当時)は、リーマンショックの傷が癒え、立ち直り始めていた米国経済の状況を見極め、債券購入額の縮小を示唆しました。これに市場は驚き、米ドル金利が上昇し、新興国市場では米国の投資資金が引き上げられるとの観測から、急激な通貨安が起こりました。この金融市場の動揺を「テーパータントラム(かんしゃく)」と呼びます。当時副議長だったパウエル現FRB議長にも、苦い記憶ではあるでしょう。
 市場が注目するテーパリング、その開始の判断は大きな決断力を要するでしょう。

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長谷川 建一

国際投資ストラテジスト

シティバンクグループ日本及びニューヨーク本店にて資金証券部門の要職を歴任後、シティバンク日本のリテール部門やプライベートバンク部門で活躍。 2004 年末に、東京三菱銀行(現三菱UFJ 銀行)に移籍し、リテール部門でマーケティング責任者、2009 年からは国際部門に移りアジアでのウエルスマネージメント事業戦略を率い2010 年には香港で同事業を立ち上げた。その後、2015 年香港でNippon Wealth Limited, a Restricted Licence Bank を創業。2020 年には、Wells Japan Holdingsに参画し、新たな金融サービスの開発に取り組んでいる。世界の投資商品や投資戦略、アジア事情に精通。わかりやすい解説には定評がある。香港をはじめ、日本やアジア各地での講演も多数。京都大学法学部卒・神戸大学経営学修士(MBA)

寄稿中

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