コラム タイ野菜でべジフルライフ 第197回 モリンガ(マルン)

タイ野菜でべジフルライフ

第197回 モリンガ(マルン)

モリンガ/ワサビノキ
Moringa/Horse radish tree
มะรุม (マルン)

ラーマ9世記念日の連休に合わせて1年ぶりに東京を訪れましたが、半袖でも大丈夫なほどの暖かさに驚きました。日本の亜熱帯化が進んでおり、作物にも大きな影響が出ています。リンゴやサクランボ、米は品種改良や栽培方法の工夫が求められています。一方、マンゴーやパッションフルーツ、バナナなどタイでおなじみのフルーツが沖縄・九州以外でも育てられるようにになりました。今回紹介する熱帯の「モリンガ」もスーパーフードとして注目され、近年は栽培に挑戦する農家が増えているようです。

モリンガチャンプルー(2人分)

  • モリンガのさや(種と果肉) … 100g
  • 木綿豆腐 … 150g
  • 卵 … 2個
  • ニンニク(みじん切り) … 2~3片
  • 唐辛子 … お好みで
  • オリーブオイルなど油 … 大さじ1
  • 塩 … 大さじ1
  • 醤油 … 小さじ2
  • オイスターソース … 小さじ1
  • 削り節 … 適量
  1. 油とニンニクを入れて香りを出したら、モリンガを加えて炒めます
  2. 豆腐を一口大にカットして加え、全体が色づくまで炒めて塩で下味をつけます
  3. 溶き卵を回し入れ、固まったら全体をかき混ぜます
  4. あらかじめ混ぜておいた醤油とオイスターソースを加えて、全体にからめます
  5. 皿に盛りつけて削り節をかけて完成です

味をしっかりさせたかったので、卵はふんわりではなく、少し焼き色がつくくらいに仕上げています。モリンガのやさしい甘味を活かすなら、ツナや鶏肉を加えるのもおすすめです。ぶつ切りのスープ用モリンガは、筋が残っているので、使う際には下茹でするといいでしょう。
さやを剥くところから挑戦する場合は、まず扱いやすい長さに切り、縦に1/3~1/2にカットして種を取り出します。その後、果肉をスプーンでしごくようにして取り出すと筋もなくきれいに取れます。種と果肉は一緒に使え、まとめて冷凍保存も可能です。

モリンガ/ワサビノキ

以前は日本にはない植物だったので「ワサビの味がするからワサビノキ」と説明していましたが、最近はミラクルツリー"モリンガの名が定着してきました。ビタミンやミネラル、アミノ酸を豊富に含む葉は、サプリやパウダーとして世界的に人気があります。私も最近は葉の粉末をお茶として飲んだり、オイルを肌に塗ったりと日常に取り入れています。

細長い未熟のさやは"ドラムスティック"と呼ばれ、タイでは市場でよく見かける身近な食材です。酸味の効いたゲーンソムなどのスープやカレーに入れるのが定番で、インド料理のサンバルにも欠かせません。皮を剥いて数センチに切った莢を煮込み、食べる時に筋を取り出しながらいただきます。市場では筋を取り除いた便利なものも売られていますので、初めての方はそれを試すとよいでしょう。美容や健康にうれしいモリンガですが、ぜひ野菜としての魅力も味わってみてください。

青澤直子

健幸料理研究家(野菜ソムリエ&雑穀エキスパート)
健幸料理の店 SALADee
491/14-15 Silom PlazaGF, Silom Road

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