コラム タイ野菜でべジフルライフ 第58回 ヒヨコマメ(チックピー)

タイ野菜でべジフルライフ

第58回 ヒヨコマメ(チックピー)

ヒヨコマメ / ガルバンソ エ ジ プト マ メ
ถั่วชิกพี (トゥア・チックピー) ถั่วลูกไก่ (่トゥア・ルークガイ)
Chickpea / Garbanzo

正月休みが終わってタイに戻ったら、いきなりデモ騒動。この原稿が読まれる頃には、どういう事態になっているのか、一寸先がわからない毎日です。1月13日を前に2週間分備蓄するようにとお達しをだした大使館もあるらしく、スーパーが大変なことになっていたとか。私は、子供がいないこともあり、水さえ確保できれば大丈夫と考えているので、買い占めに走ることはありませんでした。非常食を常備していれば、外出できなくても1ヶ月は生きていけます。仮に加熱できず食べる物がなくても、大人なら水さえ飲めれば1ヶ月は生きられます。ただ、いつもお腹いっぱい食べている人がいきなり断食をするのはつらいものです。日頃から空腹状態に慣れておくというのも生きる知恵の一つです。栄養を効率良く吸収できる腸をつくるためにも、少食や断食は大事で、痩せて太れないという方にも有効です。
いずれにしても、政治騒動や自然災害だけでなく、病気など何かの事情で外出できない事態はいつでも起こり得ます。日本人は幾度もの震災で学んでいるはずだし、どこに住もうとも2週間程度の非常事態に対応できる体制を常に整え、外国人のお手本になるべきでしょう。非常食としておススメなのは、乾物、特に乾燥豆です。豆料理に苦手意識が強い人が多いようですが、こんな便利なものはないですよ。豆は、発芽させて野菜として食べることもできる優れものです。料理も簡単、ズボラさんでもウレシイ!以前、緑豆をお伝えしましたので、今回は、ヒヨコマメを紹介します。
トルコ原産の豆で、クリーム色が一般的ですが、黒や茶、赤などもあり、大粒種と小粒種があります。生産量世界一のインドでは、挽き割りにしたり、ベサンという粉にして、揚げ物の衣やお菓子に利用しています。中近東ではフムスというペーストや、ファラフェルというコロッケが有名です。その他、スープやサラダなど、世界中で重宝されています。ほっこりした栗のような食感と甘味があり、茹でてそのまま食べるだけでもおいしい豆です。SALADeeでは、ミートボールに混ぜたり、チャーハンに入れたり、ヘルシースイーツとして出しています。
一晩(4時間以上)水に浸けたら、後は柔らかくなるまで茹でるだけです。重曹をひとつかみ入れると柔らかく煮えますが、ビタミンB1が壊れるとも言われています。茹で時間は、豆の古さ、気温、浸け時間によって15~60分と大きく違います。料理に合わせたかたさにするといいでしょう。ペーストにする時は、薄皮を剥く必要がありますが、サラダなどはそのまま食べられます。茹で汁にも栄養とうまみが出ていますので飲んでもOK、冷凍の場合も汁ごと保存するといいでしょう。
食物繊維、カリウム、ポリフェノール、ビタミンB群が豊富で、コレステロール値の正常化、糖尿病予防、血液や腸をきれいにする作用があると言われています。日本では栽培されておらず食す機会が少ないので、安価に入手できるタイでどんどん挑戦してください。健幸倶楽部では、ヒヨコマメの豆腐やカレーに挑戦しますので、興味のある方はご参加ください。若く青いヒヨコマメを枝豆のように食べることができるそうで、いつか食べてみたいと願っています。

青澤直子

健幸料理研究家(野菜ソムリエ&雑穀エキスパート)
健幸料理の店 SALADee
491/14-15 Silom PlazaGF, Silom Road

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