日本での暮らしも早4ヶ月。小学生の娘は何の問題もなく毎日たくさんの友達と遊んでいます。問題は大人! 日本では会社や学校に属さなければ、誰かと深い交流をする機会が限りなく少ない。これはアメリカ人のパートナーもかなり苦労しています。毎日行くカフェの店員さんに、もっとくだけて欲しいのに、いつまでたっても丁寧でフォーマルな対応しかしてもらえない。日本のサービス業ではきわめて当たり前のことですが、確かにアメリカの場合は、店員も客も、限りなく「素」の状態でコミュニケーションを取ります。日本のサービス業は世界に誇れるレベルです。でも裏を返すと、いつまでたっても店員対顧客という関係性だけで、「その人自身」が見えてこない。そしてそれは漠然とした寂しさにつながります。
日本人が心を開きやすいタイミング。それはお酒を飲んだ時です。お酒を飲んだ時の日本人のはっちゃけぶりは海外でもよく知られています。お酒をとことん飲んで初めて本音で話せるようになる。子供同士ではもちろんそんな心配はありませんね。ではなぜ大人はお酒が必要なのか。多くの人が、社会の中で自分の役割を一生懸命こなしていく中で満たされない気持ちを抱え、無意識のうちに心を開いて誰かとつながるチャンスを求めているのではないでしょうか。
私もお酒は大好きです。でもここ数年はあっという間に酔ってしまうし、夜10時には眠くなります。パートナーも同じ。幸せに長生きする秘訣の一つは、密接に人と関係を持つことだというのが最近の研究でも発表されていますね。表面的ではなく、心を開いたコミュニケーションが、日々の健康と幸せに必要なのです。お酒を飲まずにして、日本人の丁寧さの壁を越え、どうやって心を開いてもらえるのか? 日々思考中です。