コラム バンコクとあやさんと私 第17回 「冠婚葬祭」

バンコクとあやさんと私

第17回 「冠婚葬祭」

皆さんはタイの伝統、文化をどれくらい理解されていますか? 日本も同じですが、タイも段々伝統が薄れていっているように感じます。とは言え、あやさんという仕事をしている人のほとんどが地方出身なので、田舎の方はバンコクに比べまだまだ伝統を重んじている人も多いでしょう。日本からタイに来て、日本人がびっくりする事といえばタイの冠婚葬祭について。バンコクでは人にもよりますが、お葬式や結婚式に1週間かける人も珍しくありません。時間なども、一応開始時間というものはありますがあまり気にしておらず、いつ開始したのかわからないくらいの式もあります。

あやさんを雇用していると、日本人は文化の違いに戸惑い、あやさんに嘘をつかれているのではないか? と疑う人もいるくらいです。また、よく聞かれるのは香典や御祝儀について。もちろん人それぞれなのでハッキリとは言えませんが、親戚が亡くなった、または結婚すると聞けばあげるという雇用者もいますし、全然あげない人もいます。あやさんの場合、タイ人同士だと大体500バーツからが相場みたいなので、雇用条件やあやさんとの関係により判断されると良いのではないでしょうか。また、親戚も私達の想像以上に多かったり、親も生みの親と育ての親がいたり、事情はそれぞれですので皆さんから見れば理解に苦しむこともあるかもしれません。「この人はいったい何人親がいるんだ?」と思うような話もよく聞きます。それと、タイ人は一般的に日本人よりも親や家族を大切にしているように感じます。誰かが病気などにかかると家族や親戚の誰かが仕事を辞めてまで世話をしたりもします。特に日本人宅で仕事をするあやさんは、日本人は“休まれるのが嫌い”だから嫌な気分にさせるくらいなら辞めますという人もいます。
 
日本人には理解出来ないこともあるでしょうが、冠婚葬祭は大切なことです。まさか冠婚葬祭で休んだからと言ってお祝儀どころかお給料をひいている人はいませんよね?! あやさんの仕事に有給はありません。普段よく働いてくれるあやさんほど、休まれると雇用者側も困りますが、こんな時くらいは融通を利かせてあげてくださいね。

チンチョ・プロフィール

在タイ20年以上の主婦。ひょんなことからあやさんと日本人奥様の仲介をすることに。バンコク滞在経験を生かして双方の相談に乗ったり、多くのトラブルに対応。そしてまさかの高齢出産。あやさんに助けられながら家事に育児にボランティアに奮闘中。

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