バンコクとあやさんと私

第163回 高齢化

あっという間に今年も半分過ぎてしまいそうですが、本当に1年って早いですね。
さて、日本もタイも高齢化が進んでいますが、あやさん業も高齢化が進んでいるように思います。高齢化だけでなく、タイ人のあやさん自体、少なくなっているのが現状です。
その背景には、あやさんは自分が低学歴で苦労したぶん、子どもには大学を出て福利厚生の良い職場に勤めて欲しいと思っている(自分の跡を継がせたくない)ことや、田舎に学校が増え、昔と違って通いやすい環境になったことがあると思います。

また、バンコクにはあや業以外にも仕事が沢山あることや、個人で気軽にできる仕事が増えたことも要因だと思います。あや業よりも安定した仕事に就く若い世代が増えているのでしょう。個人家庭での雇用となると福利厚生はありませんし、雇用者が変わる度に気を遣ったり、求職をしなければならない苦労もありますしね。

また、雇用形態などの変化についていけなくなったり、トラブルに巻き込まれるぐらいなら田舎で呑気に生活したいと思っている人も増えたように思います。彼女たちは、空気が良く、家族も住んでいる田舎暮らしが大好きです。無理して都会で仕事をするより、早めに田舎に戻って家の手伝いをして生きていくのも一つの選択だと思います。

ちなみに、最近の雇用条件に多いのは「英語でコミニケーションがとれる」ことです。この頃、私達外国人がタイに住んでいるのを忘れるかの様に、街では日本語や英語が飛び交っていますよね。住んでいる国を錯覚してしまう気持ちになるのは私だけでしょうか?

段々薄れていくタイらしい文化、そしてあやさんの高齢化、いつまでこの仕事が続くのか見守っていきたい気持ちと同時に、彼女たちがあや業をしなくても豊かに暮らしていける仕事や方法があれば、それに越したことはないのかなと感じたりします。そして最近はミャンマー人などの外国人のあやさんも目立ちますね。

最後に、家族でタイに移住し共働きをする日本人家庭が増えている昨今、若いあやさんを求める声が多いですが、年配のあやさんには年配なりのメリットがあることもお忘れなく! バンコクでの生活を有意義にしていただけたら幸いです。

チンチョ・プロフィール

在タイ20年以上の主婦。ひょんなことからあやさんと日本人奥様の仲介をすることに。バンコク滞在経験を生かして双方の相談に乗ったり、多くのトラブルに対応。そしてまさかの高齢出産。あやさんに助けられながら家事に育児にボランティアに奮闘中。

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