私のバンコク生活は2012年5月~2013年末。他の方よりかなり短い1年8ケ月でしたが、大変充実した濃い日々となりました。
実は、帯同に少し躊躇していました。その1年前に、不慮の事故で2度目の頸椎挫傷をし、少しずれていたら命や後遺症も心配された状態で、丸1年外出もままならずほぼ横になって過ごす日々でした。薄皮を剥がすように回復し、長男の大学受験が無事終わり、入学式と引越しを済ませて私の渡航となりました。愛犬も一緒でしたので手続きにあちこち走ったのは懐かしい思い出です。
バンコク情報をネットで調べていた時、まず目に入ってきたのは野菜ソムリエコミュニティ主催のセミナーでした。初めて行く国の食材を知るためには最適、と開催日をチェックしていました。セミナー後は、迷うことなく野菜ソムリエの資格取得の勉強を開始しました。
それまでの仕事は教育関係、企業での貿易関係などで、食に関する資格は何一つ持っていませんでしたが、それ以後食に関わる勉強を続け、所持する資格が10種類になったことを鑑みても、バンコクでの野菜ソムリエコミュニティの活動が契機になっているのは間違いありません。
本帰国してからは、たくさんの素敵な先生方にお会いし、自宅でコラボして料理を担当したり、外部の講師を依頼されたり、ワークショップやランチ会を開催したりしています。
現在は発酵食をメインに活動していて、学んでも学んでも行きつくことのない奥深さを感じているところです。また、ウクレレ、刺し子、陶芸、フラ、写真、和菓子、ボランティアなど多くの仲間に恵まれて活動しています。日本の地にしっかり足を着けて生活していますが、第3の故郷に魅了され続け、本帰国後も毎年バンコクを訪れています。
「異国に行くことは吉と出るか否か?」出発前に主治医の先生に言われた言葉です。 “吉"と感じたのは渡航後3日目のことでした。一人でチャオプラヤ川を眺めながら清々しい気持ちになったのをはっきりと覚えています。