タイ野菜でべジフルライフ

第16回 ナガササゲ

長大角豆(ナガササゲ)
YardLongbean /Cowbean/Asparagusbean/Snakebean
ถั่วฝักยาว (トゥア・ファクヤーオ)

先月号で道端で冬瓜をみつけたと書きましたが、別の日、オフィスの前のプランターでナガササゲを発見!ずっと放置されていたプランターにいつの間にかマメ科らしきかわいらしい花が咲いていたのですが、間もなくナガササゲがズズズーッと伸びてきました。長いのがブラブラしていてプランターとのバランスが妙でしたが、大して手間をかけずに簡単にできてしまうものなのですね。

 

タイでナガササゲを初めて見た時は、その長さにちょっと驚きました。ソムタムのつけ合わせとして、生で出てきた時にも驚きました。タイに長くなると、昔から慣れ親しんでいる食材のような気になってしまいますが、みなさんは、日本で見たことがありましたか?日本でも東海地方など一部の地域では、夏の風物詩として珍重されているそうです。もともと奈良時代には伝わっていたもので、インゲンより古くからあったのですが、いつの間にかすっかりインゲンにとってかわられたようです。なぜなんでしょうねぇ。ちょっとかわいそうなので、タイでいっぱい食べてあげたいところです。日本では、一つの莢の中に豆が16個入っているというジュウロクササゲ、三尺もの長さがあるというサンシャクササゲなどがあり、タイにもいろいろな長さのものが売られていますが、総称してナガササゲと呼んでしまいましょう。多くはありませんが、莢が赤い品種も時々みかけます。

 

タイ人は、インゲンよりナガササゲを多用していますが、それは、ナガササゲの方が安くて容易に手に入るからで、お客さんにはインゲンを出すと言う話がありました。でも、インゲンには筋があって繊維質なので、生で食べると口当たりがよくないという理由もあるようです。タイ人にとって、ナムプリックなどで生で食べられるかどうかというのは、重要なのでしょうね。私もインゲンよりナガササゲの方が好きなんですが、みなさんは、いかがですか?たまにインゲンとササゲがごっちゃになっているというか、同じものだと思っている方がおりますが、タイにいる間に両方を見比べてしっかり確認してみてください。

 

アフリカ原産ですが、野菜として莢を食べるのは、中国に由来するようです。ササゲ豆はアズキにかわってお赤飯に使われることがありますね。ナガササゲは莢用の品種で、若いものは表面が滑らかですが、成熟すると荒くなります。生で食べた時の青臭さや荒い表面を見ると、扱いづらいように思えますが、加熱するとインゲンよりもクセがなく食べやすくなります。味がボケて面白みがないと言う人もいますが、、、。茹でる前に塩で揉んでから洗って使うと、残留物も除去できますし、より色鮮やかに仕上げられます。筋がないので楽でいいですね。茹でる時は、長いまま茹でてください。切ってから茹でると栄養素が抜けるだけでなく、豆が流出してしまいます。炒める場合でも、先に湯通しして最後に入れるときれいな色に仕上がります。中国では油通しすることもあるくらいですが、そのまま炒めてももちろん大丈夫です。料理法は、インゲンのレシピを代用できますが、長く煮込むとインゲンよりクタクタになります。和風にもあいますが、意外に洋風にもあうので挑戦してみてください。保存は、水分をよく拭きとってポリ袋などにいれて冷蔵庫で保存します。茹でてから保存してもしばらく持ちますが、色が悪くなります。ナガササゲには、ビタミンB1、B2、ビタミンCが多く含まれています。サヤインゲンやサヤエンドウと比較して、βカロテンと葉酸が2倍も含まれています。

青澤直子

健幸料理研究家(野菜ソムリエ&雑穀エキスパート)
健幸料理の店 SALADee
491/14-15 Silom PlazaGF, Silom Road

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