コラム人生一度きり最終回「ご愛読ありがとうございました」

人生一度きり

最終回「ご愛読ありがとうございました」

 この誌面で言葉を綴る事3年。短い間でしたが、毎月お付き合いいただき、ありがとうございました。この号が皆様のお手元に届く頃、私達夫婦は台湾(台北)での生活をスタートさせている事でしょう。

 

 「人生一度きり」というタイトルにしたのは、2つの思いからでした。1つは言葉の通り、まさに悔いのないように生きよう、という意味でつけました。未知のものに向かう時には、先が見えず不安になる事の方が多いと思います。でも、それがしたいと心が求めるなら、前に進んでみたら、行動を起こしてみたら良いよ、と私は背中を押したいのです。それは、やってみたら案外簡単だった。簡単ではなかったけれど、その過程が勉強になった。思い切って行動して良かったという結果になる確率の方が高い気がするからです。万が一あまり良い方向に転ばなくても、えいっと行動した事は、後々その苦労も笑い話になるものです。この言葉が皆様の一歩を踏み出す勇気になれば良いな、と思ってつけました。

 

 そしてもう一つこのタイトルに込めた思いがあります。それは、今はすぐに過去となる、この瞬間でしかないのだから、一つ一つの事柄や心の動きを丁寧に味わいましょう、ということ。日本を離れ、海外で暮らす事を選んだ人の日々の出来事や感動は、母国に居ては味わえない特殊なものだと思います。日本では当たり前の常識が通用しない事や、日本で失われてしまったものを、垣間見たりする瞬間。それらは宝物のような思い出となる経験です。バンコクは人の出逢いと別れが交差する場所。私も図らずも何人もの出逢った方を見送る立場を経験し、今回は見送られる側となりました。新しい経験をする、人と出逢う、人と別れる、心が揺れたり動いたりするその全ての瞬間を楽しみましょう、という思いを込めました。

 

 バンコク生活では、皆様に支えられ、オットのART展示のプロデュース、ラジオDJ、このフリーペーパーWOMのコラムニスト、という肩書きをいただきました。次の台湾では私に肩書きはなく、まっさらなスタートとなります。一瞬、何者でもない自分に、ふと寂しさを感じましたが、それでもいい。何者にならなくても、私は私。そう思い直したらあれもやりたい、あれはどうだろう、とアイディアやイメージが湧いてきて、どんな風に楽しむのか、自分自身が一番ワクワクし始めました。できてもいい、できなくてもいい。でも、やってみたらいいじゃない?! だって人生は一度きりだから(笑)。

 

 「海外で暮らしてみたかった」を実現したタイ、バンコクでの5年間は本当に楽しい時間でした。ありがとうございました。皆さまも、世界のどこにいても自分が主役の人生を楽しめますように。

by hiroko 「結婚・離婚アドバイザー」

来タイ4年目! ライター、ラジオDJ、普段着物愛好家。着物をもっと身近なものにをモットーに、バンコクFM放送局J-channel、毎週月曜日Morning Kissには着物やゆかたで出演中。リクエスト、メッセージなど大歓迎です

J-channel Webサイト

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