特集記事 カウンセラーMIWA先生参上! 海外に住む私たちに必要な心のケア

133号特集 海外に住む私たちに必要な心のケア

カウンセラーMIWA先生参上! 海外に住む私たちに必要な心のケア

アメリカ・ロサンゼルス在住の心理カウンセラー、ひつもとみわ先生にご登場頂きます。

14年間、LA周辺在住の日本人を対象に、海外生活を成功させる為の心理カウンセリングを行っているみわ先生は、カウンセリング大国アメリカの有名大学で臨床心理学の修士課程を修了後、LМFT(Licensed Marriage and Family Therapist)を取得したカウンセリングのプロ。

今回は海外在住日本人の心のケアについてお伺いします。

133号特集 海外に住む私たちに必要な心のケア

この特集に協力してくださった ひつもとみわ先生 のこと

ひつもとみわ Ph.D

Licensed Marriage & Family Therapist
1996年:Azusa Pacific University‒
Master of Arts in Clinical Psychology
在院中から約10年間さまざまなメンタルヘルス施設で経験を積み、2004年「LAカウンセリング」開設

LAカウンセリングLAカウンセリング

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ロサンゼルス在住のサイコセラピスト。高校留学をきっかけに渡米。コンピューターサイエンス修士号を修得後日本へ帰国、大手外資系コンピューター会社の研究所にてエンジニアとして勤務。その後、自身の夢である臨床心理士になる為再度渡米。臨床心理学修士課程修了後、LMFT(Licensed Marriage and Family Therapist)の資格を取得。後にカウンセリングにて博士課程修了。現在はパサデナ・リトル東京オフィスで、LA周辺在住の日本人を対象に、海外生活を成功させる為の心理カウンセリングを行っています。

バンコク在住の方はスカイプ診療が可能。海外旅行者保険や各種医療保険が適用できます。

心理カウンセリングってナニ?

「精神を病んだら精神科で診療を受けるんじゃないの?」と完全に病気扱いしている方、「カウンセリングってスピリチュアルとか宗教的な入口じゃないの?」と思い込んでいる方はいませんか? まずは順を追って知識を身に付けて行きましょう。

 

海外に住む私たちに必要な心のケア

1 カウンセリングとは

依頼者の抱える問題・悩みなどに対し、専門的な知識や技術を用いて行われる相談援助のことです。カウンセリングを行う者をカウンセラー、カウンセリングを受ける者をクライアントと呼びます。

2 心理カウンセリングとは

精神心理的な相談援助のこと。心理学・応用心理学の一分野である臨床心理学を中心的に用いてアドバイスを行います。カウンセリングでは、明確な解決策を直ちに提示することは原則的にはありません。カウンセリングによってクライアントが自らに向き合い、その作業を通じて新しい理解や洞察に自発的にたどり着き、実生活の問題や悩みに主体的に相対して行けるように導くことが、カウンセリングの目的とされています。

3 カウンセラーの種類

日本では、メンタル心理カウンセラー、臨床心理士、産業カウンセラーなど数多くの民間資格が存在しますが、大学院で心理学などを専攻していること、医師免許を取得していることなどが条件となっている資格がある一方、通信教育だけで取得できる資格もあり、カウンセラーのレベルは様々。また、2017年9月に公認心理士法が施行され、公認心理士という国家資格が誕生しました。類似の国家資格としては他にも精神保健福祉士、社会福祉士があります。

4 日本の心理カウンセリング事情

メンタルケア先進国である欧米諸国に比べ、日本は制度面の遅れがあり、心理カウンセリングや心理療法が日常的なものとして扱われてきませんでした。しかし、2000年あたりから自殺者が年間3万人を超え、不登校、うつ、ひきこもり、介護うつ、なども増加していることが、精神疾患受療率の上昇から明確になり、文部科学省によるスクールカウンセラーの配置、2008年には労働契約法が施行され、労働者の心身安全配慮義務が経営者に課されるなど、様々な社会情勢から、今日では心理カウンセリングや心理療法が日常的なものとして認知されつつあります。

海外在住日本人にはこんな悩みが多い!

133号特集 海外に住む私たちに必要な心のケア憂鬱な気分。不眠が続いている。
気力・意欲がわかない。ひとりぼっちな気がする。
職場、学校に行けない(ひきこもり)。
家事、外出ができない(主婦ひきこもり)。
日本に帰ろうか迷っている(ホームシック)。
突然不安に襲われて、パニックになってしまう。
不安な気分、うつ状態から抜け出したい。
恋愛、夫婦、家族関係を何とかしたい。
子供の不登校、適応障害で困っている。

「もしかしてうつ病?」まず自己診断してみよう

ここ一週間ぐらいの様子で、自分に当てはまる数字に丸を付けてください。

資料提供:LAカウンセリング

合計点の判定

133号特集 海外に住む私たちに必要な心のケア39点未満

正常。ただし30~39点はストレス過多状態にある。時々、テストを受けてみることが必要。

40~47点

軽度のうつ状態。専門医での早めの受診を。

48~55点

中程度のうつ病の疑いあり。専門的な治療が必要。

56点以上

重度のうつ病。治療が早急に必要。

 

|||||||||||||||||||| 対談 ||||||||||||||||||||

海外生活の悩み・孤独・ストレス

    ヤマトナデシコ in Thailand 創立メンバー
みわ
先生
エリコ
さん

 

※ヤマトナデシコinThailandは、虹の学校(モン族やカレン族の未就学児童、孤児、貧困家庭を支援する児童養護施設、兼学校)やタイと日本の災害孤児の支援活動をするボランティア団体です

 

日本人は特に海外生活でストレスを抱えやすく苦労すると言われており、放っておくと深刻な状態に陥り、移住国にうまく適応出来ずに精神的な病気にかかってしまうケースも。「海外不適応症」は、言葉の壁や文化の違いからくる生理的・心理的ストレスが引き起こす心因性精神障害のことをいいます。日本人が多く住むタイでも、海外生活の心の疲れを感じる人々の悩みは尽きません。日本人の利用率がまだまだ少ないカウンセリングは、欧米諸国ではサロンやエステに行く感覚で心のメンテナンスとして気軽に利用されています。今回WOMでは、タイからアメリカに移住した渡辺エリコさんにご協力頂き、心理カウンセラーのひつもとみわ先生と対談を実施しました!

タイを訪問し、自分の第2の場所はここだ!と直感で思ったんです

 

ERIKO: みわ先生とは、患者としてクリニックに伺ったのがきっかけですよね。タイから日本に帰国し日系企業に就職、駐在員として単身カリフォルニアへ赴任したものの、家族と離れて暮らす寂しさと仕事のプレッシャーが重なり、心の風邪が発症。内科の先生に紹介してもらい電話をしましたが、何から説明していいか分からず子供のように電話口でモゴモゴしていたのを覚えています。みわ先生が優しい声で「ゆっくりでいいですよ、早くお会いしましょうね」と、救いの手を差し伸べてくださいました。いつもは話を聞く側の先生ですが。今日は先生のお話を聞かせてください。まずは先生がセラピストになろうと思われたきっかけは?

MIWA先生: 私がLMFT(Marriage and Family Therapist)の資格を取ろうと思った最初のきっかけは大学時代。彼氏と別れたショックで学校に行けくなってしまい、心理学者の先生に相談に行ったんです。白人のお爺ちゃんで、泣きながらも懸命に相談したのですが、言語や文化の違いもあり、結局あまり解って貰えず余計に落ち込んでしまったの。アメリカには当時、日本人セラピストがいなくて、いつか自分がカウンセラーになりたい、と思ったんですが、日本のバブルの流れに乗ってIBMジャパンに就職してしまいました。でも人生ってやはり何かのご縁で、その後日本で結婚したものの上手くいかず。マリッジセラピストを探したものの、日本にはまだいなかったんです。そこでハッとしました、この気持ちに覚えがあるなって。それからは迷わずアメリカで再び勉強する決意を固め、絶対にセラピストになろうと決意して大学院に戻りました。

ERIKO: 先生ご自身が苦しくて辛い経験をされて悩んでこられてきたからこそ、人の心の痛みに敏感で親身に相談に乗って下さるんですね。実際、アメリカではカウンセリングに来られる方はどんな悩みを抱えた方が多いのでしょうか。

MIWA先生: 私のところにカウンセリングに来られる人の悩みはまちまちですが、主に仕事の人間関係からくるストレスによる鬱不安症不眠などが多いですね。男女共に適応障害による同様の症状も多いと思います。産後鬱の方も多いですし、お子様に関連する悩みも良く聞きます。

ERIKO: 海外って住んでみないと合うかどうかは本当に分からないですよね。新しい土地では誰もが何かしらの壁に当たると思うのですが、勢いがある最初のうちは良くなろうと皆努力しますよね。でもずっと1人で抱え込んじゃうとそのうち心が疲れてきちゃう。専門家の所に相談に行くタイミングも大事だと思うのですが、判断基準などはあるのでしょうか。

MIWA先生: 早い方がいいに越したことはありません。風邪と一緒だと考えて下さい。喉が痛みだして、おや風邪かな? と思って初期に薬を飲んだら回復が早まるのと同じです。心の風邪も、1人で悩みを抱え込み続ける期間が長ければ長いほど治療期間もかかってしまうんですよ。

ERIKO: 先生は昨年から、タイに住む日本人の方の為にカウンセリングが出来るような環境作りをしたいと話されていましたが、タイを選ばれたのには理由がありますか? また、昨年10月に初めてタイを訪問された際に感じたご感想を教えて頂けますか。

MIWA先生: 実はタイには以前からご縁を感じていました。数年前、タイ駐在員の奥様から、夫婦関係と子育ての悩みについて相談のメールを受けた事があり、あまりにも遠くからの相談で驚いたのを覚えています。そしてエリコさんからタイでの災害支援活動や虹の学校支援のボランティア活動の想い出話を聞いたり、バンコクの日本人社会の規模の大きさ、それ故に悩みを抱える人も沢山いるのだという情報を聞くたびに、何かしなくてはと、じっとしていられないような気持ちになっていきました。そんな時にタイを訪問し、自分の第2の場所はここだ! と直感で思ったんです。

ERIKO: 先生の行動力と直感がまさに新しい扉を開いたんですね。そういえば面白い話を思い出しました。先生にある日突然、夢の中で白い建物とヘリコプターが見えたのだけど、タイに繋がるものがあるかしら? と聞かれて、私は真っ先に「はい、それはバンコクにあるサミティヴェート病院です」と答えていましたね(笑)。

MIWA先生: そうそう! 本当にあるって聞いて驚いたわ。

ERIKO: 先生はその数か月後、実際にタイに行かれ、3日間という短い滞在期間でサミティヴェート病院とカウンセリング提携契約を結んでいて、驚きました! 人生の流れに乗るとはこういう事なんだなぁ。

MIWA先生: 病院の日本人担当者の方とお話した時、タイには専門の日本人カウンセラーがいない事を懸念されていたので、有難いことに全てがスムーズに進みました。あとタイでは、エリコさんから話を聞いていた【虹の学校】の校長をされているトモコ先生にも会い、大変興味深いお話を聞かせて頂きました。国籍を持てない理由で学校に通えない子供たちの為に学校を立ち上げた方が日本人でしかも女性だったなんて、とても誇らしく感激しました。自分にも何か支援出来ないかとすぐに気持ちが動きました。

ERIKO: 学校からバンコクまでは車で7時間もあるので、校長はめったにバンコクに来ないのですが、あの時は奇跡的にみわ先生とのタイミングが合い、バンコクで会えたんですよね。人の為に役に立ちたいというお2人の強い気持ちが引き寄せを起こした必然の出会いだったのかもしれません。

MIWA先生: 確かにトモコ先生とお会いしてから、こうやって人の為に一生懸命に尽くされている方を応援していきたいと益々強く思うようになりましたね。

まずは、私を信頼して悩みを打ち明けて欲しいです

 

ERIKO: タイでは駐妻は一般的に就労の規制があり、自分の時間をボランティア活動や趣味に費やす方も多いのですが、一方で夫の駐在でキャリアを諦めた妻も多くいるわけで、悩みの数は計り知れないと思います。素晴らしいボランティア団体も多数存在しますが、エネルギーの高い人同士が集まる場所にはそれ特有の人間関係が発生するので、駐妻社会も大変です。何か問題が生じたとき、縁の下の力持ちとして活躍するような繊細な正義の心を持つ方達の心が真っ先に折れてしまう事がとても残念です。

MIWA先生: そうよね、そういう方達がボランティア活動では本当に必要で大切なのに残念だわ。ぜひ自信を取り戻すお手伝いをしたいですね。

ERIKO: 最近の駐妻の傾向としては、年齢層が比較的若く、小さなお子様連れや、子供を持たない夫婦も増えたそうです。以前は当然のようにメイドやドライバーを雇う家庭が多かったのに比べ、今は雇わない家族の方が普通なのだそうです。そのため、タイ語を習う人も減り、家に引きこもってSNSやブログで情報収集をする方も多く、カリスマ主婦と呼ばれる方達が存在したりと明らかに活動の場が変化しています。

MIWA先生: まず小さなお子様がいるとお母さんは産後鬱になりやすいから、あまり我慢しないで欲しいですね。旦那様に頼りたいけど、仕事が忙しくて帰りも遅いからそうも言ってられないのが現実。あまり我慢してしまうと、最終的にお子さんに被害が及びます。そうなる前に相談に来ないと。

ERIKO: 初めて会う人に悩みを話すという事に抵抗を持つ方も多いと思いますが、辛い思いを自分だけで抱え込み悩んでも解決には繋がらない、家族のためにも勇気を出して早めに専門家に相談して欲しいと思いますね。

MIWA先生: 海外特有の狭い日本人社会はタイもアメリカも一緒です。お友達や会社関係の方に知られたくない事、気軽に人に話せない悩みもあると思いますが、カウンセラーは守秘義務がありますのでそういった不安は解消されると思います。私の役目は、苦しんでいる方のお話を聞き出し、少しでも悩みを解消し、心を軽くするお手伝いをする事です。まずは、私を信頼して悩みを打ち明けて欲しいです。皆様からのご連絡をお待ちしています。

ERIKO: タイでも、アメリカのようにカウンセリングへの壁がなくなり、今まで以上に日本人が住みやすい良い国になるといいなと願っています。みわ先生どうもありがとうございました。

タイからでも保険適用でカウンセリング可能。

また、WOM読者は15分間、相談無料!

上記記載の LAカウンセリング まで、メールまたはLINEでご連絡ください

LAカウンセリングで実際にあった相談と解決の例

ケース1

失恋後うつになり来院

A子さん(27歳)

 

相談内容

「彼と数週間前に別れてから学校にも行けず、とうとう学校からこれ以上休学するとイミグレーションのステイタスも危ういと連絡がありました」

症状

食欲の低下・不眠・何もやる気が出ない・毎日が楽しくなく辛い日々・家からも出れず学校にも行けない

 

典型的なうつ症状。A子さんは見た目、品がある美人タイプで日本で大企業のOLを経てLAに留学、と人もうらやむ27歳。初回セッションでわかった問題点は、

1. 外見とは反する自信のなさ

2. 白黒思考(彼と別れたら私のLA生活終わり!)

3. サポートシステム(頼れる友達が近くにいない)

などです。特に1. の自信のなさは、過去のトラウマなどから来ている場合があり、原因が無意識の中にあります。2. 3. も認知行動療法により発覚した「白黒思考」という考え方の癖を、「適応的思考」にもっていく必要があります。例えば、彼と別れて0になるわけでなく、失恋よる悲しみはあるが人生は終わりではない、せっかくの留学経験を有意義に過ごそう、などと建設的な考え方に、また、近くには友だちがいなくても、スカイプやラインで日本の友だちに悩みを聞いてもらったりする、など工夫して少しフレキシブルな考えに徐々に置き換えていきました。A子さんは新しい友人ができ、学校も無事卒業。セッションを通し健康的な考え方を学び、同時に無意識に潜んでいた自信の無さの根底の理由がわかり、本来あるべき彼女自身を取り戻せました。

ケース2

夫婦仲を取り戻すスカイプカウンセリング

B子さん(31歳)、ご主人Cさん(33歳)

 

相談内容

「最近、妻の様子がおかしくて連絡しました。僕たちはテキサス州に住んでいるのでオフィスには伺えないのですが、スカイプでのカウンセリングは可能でしょうか? その場合保険は使えますか?」

 

駐在2年目のCさんからの連絡でした。スカイプカウンセリングはこちらの各種医療保険や海外旅行保険等でカバーされます。奥様の様子について尋ねたところ、渡米から1年後に奥さんのB子さんは出産、ここ数ヶ月夫婦喧嘩が多くなり、最近では日本に子供を連れて帰国したいと最悪な状況、家に帰るのが憂鬱。このケースの場合、夫婦仲を改善するというゴールの前に、個人のメンタルヘルスのリカバリーが前提になります。特にB子さんの産後うつからのある程度の回復が必須になるので、まずは現地(テキサス州)の医師に連絡を取り、併用治療をしてゆきます(抗うつ剤投与、認知行動療法等のサイコセラピーの組み合わせ)。3ヶ月後に大分うつ状態も改善されたので、スカイプでのカップルカウンセリングをスタート。夫婦間のコミュニケーション向上や、どの様に向き合うかを中心にフォーカス、その後3ヶ月程で2人の仲は以前以上に健康的で信頼関係も深まり、最近日本に帰国し家族3人で幸せに暮らしていると嬉しい報告をB子さんから頂きました。

133号特集 海外に住む私たちに必要な心のケアL.A.での撮影担当: Michael Allen

L.A.を拠点としたアーティスト兼ポートレートカメラマン。独特の感性で、インテリア、デザイン、絵画・ファッション写真の世界にユニークな命を吹き込み続けてきた。二ューヨークやサンフランシスコ在住の文化人、著名人、スターなどセレブリティを顧客に持つ

HP: michaelallencreative.com

by WOM 編集部

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