特集記事 幸せの国ブータンを訪ねて – Part.1 – 基礎情報編

ブータン

幸せの国ブータンを訪ねて – Part.1 – 基礎情報編

2011年に、ブータン国王が来日して以来、日本はちょっとしたブータンブーム。
特に今年2016年夏は、国交30年を記念して、最低国交料金の撤廃などのキャンペーン中!
(詳細はこちら
大きさは九州ぐらい、人口は約70万人という小さな国ですが、「幸福こそ人と国家の究極の目標」という思想に沿って、GNH(GrossNationalHappiness)国民総幸福を重視している素敵な国です。さて、日本からブータンへ行くには、ほとんどの場合、ここバンコクを経由します。つまりバンコクからなら直行便でブータンに行けるのです。フライト時間はたったの2時間半。まずはWOMを見てブータンへの旅を考えてみて!

ブータン王国のこと

バンコクから直行便で約2時間半。インドと中国に挟まれた、南アジアの小さな王国ブータン。ヒマラヤ山脈南麓に位置し、首都ティンプーは標高2320mの高さにあります。国民の約8割がチベット系で、世界で唯一チベット仏教を国教としているのも特徴。また、国営航空会社「DrukAir」の“ドゥルク”とは現地語で“ブータン”の事を指し、“竜の国”という意味を持っています。国旗には竜の姿が描かれ、街の至る場所で竜の彫刻や置物を見かけますが、今年は辰年という事もあり、観光客にとっても"縁起の良い国"というイメージがあるようです。
(記事は2012年のものです)

 

 

基本情報

面積:38,400km²(九州ぐらい)
人口:約70万人
公用語:ゾンカ語
通貨:ヌルタム(BTN) ※1BTN=約1.5円(2012年5月現在)
時差:バンコクより1時間遅れ
気候:標高により異なる
※観光のハイシーズンはお祭りのある春と秋。
12月〜2月、7月〜8月は雨、雪の影響でトレッキングには不向き。

ブータン豆情報

★たいてい英語が通じます。
初等教育就学率100%を目指しており(現在90%ぐらい)、英語教育が進んでいます。街の看板もほとんど英語併記で観光客にはありがたい。
★タバコが売っていない。
ブータンは世界初の禁煙国。タバコは販売していません。が、持ち込みは可能です(申告して200%の関税を支払います)。
★殺生はNG!
輪廻転生信仰から、殺生はNG。「犬は生まれ変わったら人間になる」「鳩はお坊さんの生まれ変わり」などの言い伝えが。

首都ティンプーにある「タシチョ・ゾン」。ブータンの宗教と政治の総本山であり、国王の執務室もあります。“ゾン”とはもともと寺院と城塞を合わせたような存在で、各県にありますが、現在は県庁のような役割を果たしています

首都ティンプーにある「タシチョ・ゾン」。ブータンの宗教と政治の総本山であり、国王の執務室もあります。“ゾン”とはもともと寺院と城塞を合わせたような存在で、各県にありますが、現在は県庁のような役割を果たしています

歴史と政治、産業

12世紀から17世紀。仏教諸派乱立の混沌とした時代の中で勢力拡大戦争が続き、中央統一権は存在せず、地方ごとに分離していたブータン。そこへ1616年、チベット密教ドゥルク派のラマ僧ンガワン・ナムゲルがやって来て、初めて中央政府による統治を実現させました。とはいえその後も200年ほど内戦が続き、イギリスとの戦争などもありましたが、1907年、地方豪族ウゲン・ワンチュクが初代国王の座に付き、以来王制は栄え、現在は日本でもイケメン国王として話題となった5代目ジグミ・ケサル・ナムゲル・ワンチュクがその座に付いています。2008年に絶対君主制から立憲君主制への移行があり、民主化の波が押し寄せている最中ですが、近代化の速度をコントロールしつつ自然や文化を守るという国の姿勢、国民総幸福(GNH)を重視した国造りに世界が注目しています。また、ブータンでは国民の約70%が農業を営んでおり、多くの人が自給自足を基盤とした生活を送っています。最大輸出商品は水力発電による電力となっています。

ブータン
ブータン
ブータン
ブータン

ブータンといえば、寺院です

建国100年を記念して大規模に整備されたメモリアル・チョルテン

建国100年を記念して大規模に整備されたメモリアル・チョルテン

“空に近い谷の街”という環境がもたらさす独特の雰囲気のせいか、信仰心の薄い人も思わず祈りを捧げてしまうから不思議。ブータンには数多くの寺院や仏塔がありますが、それらを見る度に信仰心を思い出すだけでも祈りに繋がっていくのだとか。特に老人達は来世の事を思って、1日中祈ります。

チベット仏教ではキャンドルではなくバターランプを灯します

チベット仏教ではキャンドルではなくバターランプを灯します

大きなマニ車(1回まわすと1回読経したことになる)の下に集う市民

大きなマニ車(1回まわすと1回読経したことになる)の下に集う市民

手にマニ車を持ち、祈るお婆さん達

手にマニ車を持ち、祈るお婆さん達

総本山 タシチョ・ゾン

総本山 タシチョ・ゾン

国の中央政庁として政治と宗教を司るタシチョ・ゾンには、国王の執務室の他、宗教界最高権威ジェ・ケンポ大僧正の部屋や外務省などの行政機関があります。秋には大きなお祭り、ティンプー・ツェチュが執り行われ、多くの市民で賑わうそう。ちなみにゾンの周りには国会議事堂と国王の住居がありますが、その住居が派手さの無いこじんまりとした素朴な家で驚かされます。

首都ティンプーを護るチャンガンカ・ラカン。ティンプー の人々は、子供が生まれたらまずこのお堂で祈りを捧げるそう。残念ながら建物内は撮影禁止

首都ティンプーを護るチャンガンカ・ラカン。ティンプー の人々は、子供が生まれたらまずこのお堂で祈りを捧げるそう。残念ながら建物内は撮影禁止

寺院の外壁には必ずと言っていいほどマニ車があります

寺院の外壁には必ずと言っていいほどマニ車があります

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by WOM 編集部

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