コラム バンコクとあやさんと私 番外編 第1回 スラムの幼稚園
番外編 第1回 スラムの幼稚園
WOMでいつも「バンコクとあやさんと私」を連載していますが、私はバンコクに来てから長い間、クロントーイのスラム地区にある幼稚園でボランティアをしています。そこでの生活は私たち日本人には想像の付かないことばかり。その現状を少しでも多くの日本人の皆さんに知っていただきたく、今回から番外編として3回にわたり
お伝えしていこうと思います。
皆さんはスラムをご存じですか?きっと多くの日本人はスラムに行く機会はないと思います。私もこのボランティアを始めるまではスラムに足を踏み入れたことはありませんでした。貧富の差が激しいバンコク、十数年前に来た頃はタイ人のほとんどがビーチサンダルを履いていて、スクンヴィットの高層マンションの合間に見えるトタンの家も珍しくありませんでした。10年前、貧しいタイ人の生活に興味を持った私は、スラムの幼稚園訪問のボランティアを始めました。この幼稚園はスクンヴィットから車で15分くらいの場所に位置します。クロントーイ幼稚園の正式名称は、「スーンパッタナレボリカーンクロントーイ」といいます。スラムの入り口付近にあるのですが、このスラムはバンコク最大級の規模のスラムです。幼稚園には約70名の子どもたちが通っています。国鉄の線路を通って
来る子、親がいない子、ご飯も満足に食べれない子。環境は粗悪で、子どもたちの成長にとって非常に過酷な状況です。また、子ども達の周りの大人にも様々な問題があります。
この幼稚園の他に、クロントーイ地区には2か所の幼稚園と学校があり、どちらもとある財団からの支援を受けて運営が成り立っています。しかしクロントーイ幼稚園は、現在教会からのわずかな支援しか受けられておらず、存続の危機に面しています。
幼稚園では、少しでも犯罪から子どもを守ろうと、園を開放して様々な活動をしています。給食費の無償化、放課後活動を通しての健全な精神の育成、そしてビーズアクセサリーを作らせて販売会をしたりしています。
2015年11月にもクロントーイの支援をするために、バザーを開催する予定です。スラムの幼稚園の先生や親が作った雑貨、地方で暮らす人達の民芸品などの販売会となっています。売り上げは全て各団体に還元されますので、どうぞご協力をお願いします。
チンチョ・プロフィール
在タイ20年以上の主婦。ひょんなことからあやさんと日本人奥様の仲介をすることに。バンコク滞在経験を生かして双方の相談に乗ったり、多くのトラブルに対応。そしてまさかの高齢出産。あやさんに助けられながら家事に育児にボランティアに奮闘中。