コラム バンコクとあやさんと私 第12回 雇用者とあやさんのトラブル事例 「前借りさせてください」

バンコクとあやさんと私

第12回 雇用者とあやさんのトラブル事例 「前借りさせてください」

ソンクラーンも終わり、タイの学校も新学期が始まります。学校によって始業式はまちまちみたいですが、新学期ということは何かと物入りの時期です。よく聞くのが「お金が足りないので前借りさせてくださいとあやさんに言われ、貸したものの返ってこない」という話...。

タイの学校は基本的に2学期制です。4~5月に新学期が、10月くらいに2学期が始まります。普段から余裕のないあやさん達、教科書や学費を払うのも苦しいという人もいます。タイ人同士でお金の貸し借りをすると、例え友人でも利子を付けて返済するケースがほとんど。そのせいか自分の雇用主からお金を借りようとする人をよく見掛けます。日本人はお金の貸し借りがあまり好きではありません。しかしタイでは“お金のある人がない人を助ける”という行為がさして特別な事ではないようです。
 
学費に限らず、親の病院代、突然の出費、と前借りの理由は様々です。とはいえ皆が皆ではありません、前借りは絶対にしないと決めているあやさんもいますので誤解をしないでくださいね。しかし前借りを頼まれた時は、貸しても返って来ないかもしれないということを念頭に置きつつ、援助としてあげてしまうのか、返済を前提にするのか、また返済方法なども事前にきちんと話し合いましょう。ちゃんと返してくれるあやさんがほとんどだとは思いますが、中には返済できなくなるあやさんもいます。
 
ところで、昔は普段からよくしてくれているあやさんに、雇用者が状況を察してお金を貸してあげたり、田舎の家が災害などで困っている時に援助してあげることが多々ありました。あやさんに子どもがいる場合は、田舎から呼び寄せて一緒に住み込ませてあげる家庭も珍しくなかったみたいです。その結果、あやさんは余程のことがない限りそのお宅を辞めようとは思わず、長く良い関係が続いたと聞きます。
 
お金の貸し借り。これはお互いの信頼関係が重要なポイントとなるので、自分で判断し、納得して決めましょう。ただし本当に長く自分のもとで働いてもらいたいと思える相手であれば、ある程度配慮してあげることも必要だと私は思います。
お互いに「金の切れ目が縁の切れ目」にならないようにしたいものですね。

チンチョ・プロフィール

在タイ20年以上の主婦。ひょんなことからあやさんと日本人奥様の仲介をすることに。バンコク滞在経験を生かして双方の相談に乗ったり、多くのトラブルに対応。そしてまさかの高齢出産。あやさんに助けられながら家事に育児にボランティアに奮闘中。

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