コラム バンコクとあやさんと私 第67回 あやさんとの出会い ①
第67回 あやさんとの出会い ①
「皆さんの一番身近なタイ人は誰ですか?」タイに住みながらも、身 近なタイ人と言われるとなかなかピンとこない…そんな方が多いのではないでしょうか。私は、タイに来た当時、一番最初に身近に感じたのはあやさんでした。その時のあやさんとは10年以上経った今でも付き合いがあります。あやさん紹介のボランティアを始めたのも彼女がきっかけでした。今回はそんな私のタイ初心者時代のお話をします。
あれはまだ主人がタイに単身赴任していた頃…。バンコクへ遊びに来ていた私は朝寝坊をしていました。時間は9時前。何か物音が!
ジャマのままおそるおそる覗きに行くと 、「サワッデイカー」と微笑む彼女の姿が。これがそのあやさんとの出会いでした。あまりおしゃべりもせず黙々と働くあやさん。その数カ月後、タイに越してきた私に色々親切に教えてくれました。そして、だんだん自分の事を話してくれるようになりました。彼女の仕事ぶりは特別ではなく、細かいことにもあまり気がつかないけれど、優しくて気のいい人でした。当時、周りの日本人の方々からあやさんに関する色々な噂を聞いていて、その内容は悪いことばかり…。私も心からタイ人を信じることができなかったのですが、彼女は掃除の仕方などを教える とどんどん吸収し、気づけば信頼関係が成り立っていました。
「誰かいる?」と主人に聞くと「あやさんじゃない?」と彼 。「こんな時間に来るの?」「そうみたいだね。ちょっと覗いてみてよ」と言われ、それから十数年。今でも悩みや困ったことがあれば私に相談の電話をくれます。彼女の今の仕事ぶりは、何処で働いても恥ずかしくないくらいしっかりしています。彼女を通して、昔私が周囲の皆さんから聞いていたあやさん像はガタガタと崩れました。そして、コミュニケーション不足が理解不足を招き、信頼関係が築けないことに繋がるのだという事にも気づきました。
(つづく)
チンチョ・プロフィール
在タイ20年以上の主婦。ひょんなことからあやさんと日本人奥様の仲介をすることに。バンコク滞在経験を生かして双方の相談に乗ったり、多くのトラブルに対応。そしてまさかの高齢出産。あやさんに助けられながら家事に育児にボランティアに奮闘中。