コラム バンコクとあやさんと私 第44回 あやさんの今昔
第44回 あやさんの今昔
なんだか落ち着かない2013年12月でしたが、皆様いかがお過ごしでしたか? この国で何かが起こった時、身近にタイ人がいてくれると助かることが多々あります。そういう意味ではあやさんは強い見方になりますね。
今でこそ物が溢れ、物価も上昇しているタイですが、数十年前までは違いました。私はよく仕事の合間にあやさんと雑談し、タイのことやあやさんの生活について把握しようと努めています。先日も面白い話をあやさんから聞きました。うちに勤めているあやさんは40代後半でイサーン出身です。あやさんは一般的にイサーン地方の人が多いです。今では田舎の生活も多少良くなり、学校も増えて貧しい人でも通えるようになったら
しいのですが、20年ほど前は学校の数が少なく、貧しい家庭では義務教育も受けずに家業の手伝いをしていた人が多かったようです。また、病院が遠かったりお金がなかったりで出産も一苦労! 道端で生まれることも珍しくなく、うちのあやさんもその一人だと言っていました。妊婦さんが農家の仕事に追われ、あれ? と思ったらそのまま出産、なんてことも日常茶飯事だったらしいです。出生届が出ていないことが不思議でない時代ですね。だからいまだに歳も定かでないタイ人は多いです。田舎の暮らしでは物が少なく、店もありません。車やバイクがあればまだ良いけれど、なければ異動も大変です。シャンプーを買うお金もなく、米の濃いとぎ汁で髪を洗っていたとか。「そのせいか白髪が少ない」とあやさんは笑って言っていました。
この話は私の家に勤めているあやさんの話ですが、田舎の多くはかつてこんな暮らしだったと思われます。現在は生活水準も上がり、仕事も豊富になってきましたが、だからといってあやさんの生活はどうかというと、決して楽ではありません。皆さんも機会があればあやさんと話をしてみてくださいね。彼女達への理解が深まるのは良いことだと思います。
皆様にとって2014年が良い年になりますように。コラム「あやさんとバンコクと私」を引き続きよろしくお願いします。
Published · Updated
チンチョ・プロフィール
在タイ20年以上の主婦。ひょんなことからあやさんと日本人奥様の仲介をすることに。バンコク滞在経験を生かして双方の相談に乗ったり、多くのトラブルに対応。そしてまさかの高齢出産。あやさんに助けられながら家事に育児にボランティアに奮闘中。
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