コラム バンコクとあやさんと私 第41回 あやさん雇用の変化
第41回 あやさん雇用の変化
数年前までは、あやさんを雇うのが特別なことでなく、ごく普通のことでした。バンコクでの生活は危険も日本より多いですが、日本で味わえない経験も多く、異国情緒が溢れていて...。もちろん困ることも沢山ありましたが、今より楽しかったように思います。部屋も200m²前後が主流で、自分で掃除すると時間が掛かるし疲れる、日本食を作るのも材料が揃わず大変、そもそも買物に行くのにも危険が伴う、雨が降ると洪水、タイ語が流暢でないと通じない、などのことから当時あやさんを雇うのは生活するために必須でした。何より、タイに住む外国人として1人でも多くのタイ人を雇用し、国全体の就職率に貢献するという目的もあったと思います。
さて現在、外資系企業の進出拡大により、タイ人は仕事を選び放題。そして昔は学校にさえ行けなかった人も多かったのに、今ではほとんどの人が学校にいけるようになり、仕事の選択肢もかなり増えたように思います。一方で、外国人が駐在するにあたり、危険も少なくなり、会社の待遇も昔のように特別でなくなってきています。コンパクトな間取りのマンションも増え、あやさんを雇わなくてもやっていける時代になってきています。そんな風潮の中、短時間の雇用かつ安い給料であやさんを探されている方が増えています。来てほしい時間帯によって、あやさんも他の仕事が見つかりにくかったりすると結局割高になる傾向もあります。友達とシェアするのも良いですが、シェアするとお互いの家のことがあやさんを通じて漏れていたりすることもあり、トラブルの原因になることもしばしば...。
また、雇用者が給料をセーブするあまり、今まで日本人家庭で働いてきた日本語が出来るあやさんや日本料理を作れるあやさんなど、基本給の高いあやさん達が仕事を失う傾向にもあります。
どんどん発展するバンコクですが、あやさんを必要としている人やあやさん業を望んでいるタイ人もまだ沢山います。一体いつまでこの仕事が存在するのか?とふと思う最近の私です。あやさん雇用の常識も少しずつ変わってきているバンコクですが、これからも今まで通り、「できれば日本人家庭で働きたい」と思ってもらえる状態をキープしたいものです。
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チンチョ・プロフィール
在タイ20年以上の主婦。ひょんなことからあやさんと日本人奥様の仲介をすることに。バンコク滞在経験を生かして双方の相談に乗ったり、多くのトラブルに対応。そしてまさかの高齢出産。あやさんに助けられながら家事に育児にボランティアに奮闘中。
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